「慈雨」一枚の布から始まる物語を服に落とし込んで
来年25周年を迎えるブランド・慈雨。コレクションに用いる“布”をとても重視し、テキスタイルからこだわって制作している。デザインだけでなく自然な着心地も追求し、考え抜かれたシルエットとオリジナル素材の融合が織りなすアイテムを提案。それらを組み合わせた完成度の高いコーディネートも魅力的なブランド。この春も新作が順次リリース。
『東風解氷 -はるかぜ こおりをとく-』
慈雨、2022年春のコレクション
シーズンテーマは『東風解氷 -はるかぜ こおりをとく-』。“あたたかい春風が凍った氷や土を溶かすころ、変化を受け取る不思議な種まき”という意味が込められている。受け継がれ変化した匠の技「板締め」「和紙プリント」「手描き」。加えて、素材の表現で強弱をつける。Keep it Chic...。白で甘く、黒でスパイスを...。今季もブランドならではの独自の視点・世界観を堪能して。
本記事では、数ある春コレクションの中から、一押しのルックをピックアップしてご紹介。
feature look 01.
ふくらみのあるやわらかな素材感で着心地が良いチュニックは、“ワンダラーズ(いろいろな場所を放浪する人々)”をテーマにした柄のテキスタイルが印象的。これからの日々を明るく進んで行きたい、というデザイナーの思いが込められている。コーディネートにアクセントを添えるハットは、柄と無地の両面ともに着用可能なリバーシブル仕様。裾部分にフリンジを施したレギンスと、ステンドグラスのような透け感デザインがポイントのソックスで、足元まで抜かりなくおしゃれを楽しんで。
feature look 02.
透け感のある生地感と風合いが春らしいカーディガンは、ニュアンスカラーの3配色がいい。白Tシャツにデニムといったシンプルな着こなしに羽織っても素敵。通気性がよく涼しい着心地のワンピースは、さまざまな織組織で表現されたリズミカルなドットモチーフがポイント。足元は、ポップな幾何柄のソックスと大胆なフリルがロマンティックなサンダルでエレガントにまとめて。
feature look 03.
春のレイヤードルックに取り入れたいベストは、生地のタテ糸に綿、ヨコ糸には綿と麻を交互に入れることで、優しい手触りでありながら肌離れが良い仕上がりに。今回のスタイリングでは、砂丘の風紋のイメージがジャカードで表現された杢糸メランジカラーの無地柄カットソーを合わせて涼しげなコーディネートに。合わせたシューズにも慈雨らしい一捻り効いたあしらいが。つま先部分に施された銀箔に特殊な加工をすることで、ひび割れたような独特の表情が見られる仕掛けになっている。
feature look 04.
こちらのベストも着こなしの幅を広げてくれること間違いなしの一着。水溶性の糸を用いて作られたホールディテール×ライン柄のこだわりテキスタイルからは、モダンなマリンムードが漂う。合わせたのはチャーミングなドット柄パンツ。このパンツに用いられた生地の柄は、いわゆるプリントではなく、熱が加わるとくるくると丸い立体的なモチーフが出来上がる“パピリオ”という糸を使用して表現されたランダムなドット柄となっている。靴下好きにもレコメンドしたいソックスは、履き口の三角形モチーフがかわいい。スエード×ヌメ革仕立てのスリッポンシューズと合わせてカジュアルシックにまとめて。
feature look 05.
バイカラーのベストは、2色の布のドッキングではなく、部分によって色味が異なるテキスタイルを使用して仕立てられたもの。生地のヨコ糸は統一し、タテ糸を部分により黒と白で使い分けて色差を表現。程よいハリ感とナチュラルなシワ感のある同系色のパンツを合わせ、全体的にシックで落ち着いたスタイリングにまとめつつ、あえてシースルーソックスとサンダルを合わせて、軽やかにロマンティックなムードもプラス。
feature look 06.
アシンメトリーなデザインで、左脇と背面の柄がコーディネートのアクセントになるベストは、インナーとレイヤードせず、一枚で着てもサマになる。ボトムにチョイスしたエレガントなラインが素敵なスカートは、国内に数台しかない希少な織機で織られたジャカード生地を用いて仕立てられたもの。部分的に入っているブロックチェックのパターンやフリンジを作り立体感を出した点など、テクニックを駆使した素材を存分に生かした一着となっている。ランダムに通された紐のディテールが新鮮なシューズで、モードなスタイリングの完成度を高めて。
コレクションのローンチに合わせて、イベントやコンテンツも発表!
最新コレクションと合わせてチェックしておきたい、最旬ニュースも到着。最後まで目を通して。
《NEWS ①》展覧会「慈雨 & 匠の夢-Archives Exhibitionここにしかないもの-」開催
3月17日・18日の2日間、特別な展覧会「慈雨 & 匠の夢-Archives Exhibition ここにしかないもの-」を一般公開。一枚の布の創造からスタートした、慈雨のモノづくりの原点とその変遷を、新潟県の織物工場、「匠の夢」のテキスタイル・製品・制作過程などから紐解くエキシビションとなっている。ブランドの足跡と未来への展望を体感して。一般公開は抽選にて、合計20名様をご招待。入場受付はホームページをチェック。
【開催概要】
会期:3月17日・18日(一般公開日)※バイヤー・プレス等の関係者向け会期は、3月15日・16日
会場:マツオインターナショナル 東京店ショールーム
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-20-10
時間:10:00〜18:00(一般公開日も関係者向け会期も開催時間帯は同様)
【展覧会詳細・入場受付】
慈雨ホームページ(https://jiu-mic.jp/)
《NEWS ②》「慈雨」25周年カウントダウンコンテンツを公開
来年、25周年を迎える慈雨。特別な周年へのカウントダウンとして、様々なコンテンツを通しブランドの世界観を伝えていく。今年の3月・5月には、アーティストとコラボレーションしたスペシャルコンテンツをブランド公式サイト(https://jiu-mic.jp/)内にて公開予定。