ジバンシィ(GIVENCHY)が2015-16秋冬コレクションを発表した。きらびやかで底が見えないほどのダークネスに包まれたロマンティックなウエアが並んだ。今季はビクトリアンスタイルと南米の上流階級の女性・チョラからインスパイアされている。
ベルベットやシフォン、ダマスク織りなど19世紀のビクトリア時代を思わせるロマンティックな素材でドレスやセットアップを作る。色は当時の流行色・黒が基調だ。ジェットストーンを刺繍したアウター、オーガンジーでしなだれた大振りのフラワーを咲かせたワンピース、総ストーン刺繍のドレスなど暗い中に装飾をふんだんに盛り込む。顔を侵食するストーンは人体拡張の趣。リカルド・ティッシらしいフェティッシュなメイクだ。
ビクトリアンのアイコンアイテム、コルセットも随所に用いられている。ジャケットやコートと組み合わせられ、急激なくびれを作る。レザーライダースにはコルセットのボーンを思わせるラインが入る。
またメンズコレクションともリンクするレッド使いも。赤黒く光るベルベットのパンツやワンピース、モーニングとノーカラージャケットが組み合わさったかのようなくびれの激しいアウターやパンツのパイピングなど赤と黒のコントラストがセンシュアルで鮮烈だ。
リカルドらしい毒々しいピーコック柄も健在。まるで“目”のようにギョロギョロと孔雀の羽が並ぶ。ファージャケットからのぞくピーコックはレザーブルゾンだ。
オートクチュールを休止しているジバンシィ。そのテクニックを存分にプレタポルテに持ち込んでいる。