パリの老舗百貨店ル・ボンマルシェ・リヴ・ゴーシュ(Le Bon Marche Rive Gauche)が8月30日から10月18日まで、100を越える日本ブランドが参加し、衣・食・住・アートにまつわる日本を紹介する「ル・ジャポン・リヴ・ゴーシュ」展を開催する。
同社チームが東日本大震災の1年後の2012年に来日した際、「日本のエネルギーや新しい創造力、思いがけない新鮮さを感じたことや、ベネッセアートサイト直島を訪れ、アートの力で島民の笑顔を取り戻したプロジェクトと自然と一体化した安藤忠雄氏の建築に感銘を受けた」ことなどから、日仏文化交流90周年を迎えた今年の企画展のテーマとして日本が選ばれた。ウィメンズからメンズ、キッズ、アクセサリーまで、日本を代表するブランドが参加。2,000平方メートルのスペースを使うなど、これまでにない規模で日本を紹介する。メインゲストとして、カルチャー部門からベネッセアートサイト直島と安藤忠雄、ファッション部門から「サカイ(sacai)」が参加する。
ル・ボンマルシェは1852年に創業した世界最古の百貨店。ベネッセアートサイト直島と安藤は直島での一連のプロジェクトをテーマにした展覧会を開催する。
3階ホールでは、仏エコールブール国立工芸学校の学生が同氏が設計した直島の建築を再現した、直島を体感できる巨大な模型を設置。写真や映像も加え、プロジェクトや安藤氏の作品などを紹介する。1階ではフォトグラファーとビデオグラファーが直島、豊島、犬島を回り、アートによって島が活性化し、島民に笑顔が戻った様子をおさめたフォトビデオ「スマイル」を展開。ショーウインドーには同氏が現地で描いたスケッチが飾られる。9月2日には安藤が同店のショーウインドーにライブペインティングを施すイベントも行われる。
サカイはウィメンズ・メンズライン、サカイ・ラック(sacai luck)と共に、今回のためにデザインされたカプセルコレクションや限定アイテムを披露。カプセルコレクションではポケットがポーチになっていて折りたたむことができるカーディガン、パーカなどを展開。限定アイテムでは、ポーターや造形作家中村ケイなど、東京をベースにしたアーティストやブランドとコラボレーションしたアクセサリーやグッズなどを提案する。
また、ビームス(BEAMS)やデザインオフィスネンドと西武・そごうが共同開発したby | n、D&DEPERTMENT、京都の伝統工芸の老舗によるクリエーティブユニットJapan Handmade、東急ハンズなどがポップアップショップとして登場する。ビームスはファッションからライフスタイルまでトータルに提案。別注のシャツやソフビのフィギュア、「こけし」など、日本の職人技や東京のカルチャーを感じさせる限定商品も販売する。このほか、ビューティフル+ピープル">ビューティフル ピープル(beautiful people)」「カラー(kolor)」「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」「トーガ プルラ(TOGA PULLA)」「ミハラヤスヒロ">ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」「ノワール・ケイ ニノミヤ」「タサキ(TASAKI)」などのアイテムも展開する。
7月7日にフランス大使館で行われた会見で、安藤氏は「これ以上光栄なことは無い。民家や日本の風景を残しながら、その中に現代美術を置くことで100年という時間を体感し、これからどうなるのかを考えさせてくれることがフランス人に面白いと思ってもらったのではないか。コンピューターと現実は別。(巨大な模型で)直島を体感して欲しい」とコメント。ベネッセアートサイト直島代表の福武總一郎氏は「現代美術は人を元気にするパワーを持っている。あるものを壊すのでは無く、あるものを活かしながら無いものを作るということや年をとればとるほどしあわせであること、公益資本主義などを発信したい」と語った。