今年9月に急逝した広告写真家の高橋榮の遺作となる立体の作品展「REPOSING SOULS」が、12月3日より京都のギャラリーSUGATA(京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町271-1)で行われている。今回の展覧会はスタイリストであり、アクセサリーデザイナーの片山優子との2人展として今年夏から予定されていたもので、高橋の遺作となった作品は片山及び高橋の家族、知人で設営、展示された。
高橋榮は1945年生まれ。70年代初頭から大阪を拠点に広告写真家として活動。神戸ファッション美術館のコレクション作品、コシノヒロコの作品集(2004年)、天野喜孝×菱沼良樹Eve展(2010年)などファッション関連の仕事でも知られ、現在公開されているパナソニックのLUMIX GMのサイトで東京のティーンズを撮影した「TOKYO VIVID」で、その作品は改めて注目を集めていた。
今回の展覧会は高橋が数年前から本格的に制作を始めた造形作家としての一面をクローズアップしたもの。流木、動物の骨、古い農機具などを立体作品に仕上げたアッサンブラージュは、ジャンクアートと呼ぶには精密にデザインされ、会場の和の空間にプリミティブに佇む。
鉄の作品は公共広告機構の環境部門のTVCMに使用されており、紅葉の庭に展示されているそれを見て、高橋の作風に気付く人も多い。朝日現代クラフト展に初出品した年に準グランプリを獲得したというその才能に惜別の念を感じると共に、片山のボタンで作るアクセサリー作品とともに展示されたことで、写真・立体を問わず高橋の作品がファッションフィールドにあったことがうかがえる展示構成になっている。
展覧会作品の一部は京都で開催された後、渋谷ヒカリエShinQs 5階「茶庭然花抄院」内の同ギャラリーで12月25日から1月14日まで展示される。
【イベント情報】
「REPOSING SOULS」高橋榮 片山優子
会場:ギャラリー素形・然花抄院
住所:京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町271-1
会期:12月3日から12月21日
時間:10:00から19:00
休廊日:12月8日
入場無料