ロンドンコレクション:メン3日目は、英国を代表するビーチ、ブライトンをインスピレーションに、ラグジュアリーな大人のホリデースタイルを見せた「Eトウツ(E.TAUTZ)」のショーで幕を開けた。幅広のストライプを乗せたパーカーはウールとシルクの混紡素材で作られ、ピンストライプのショーツとコーディネートされる。袖なしデニムのジャケットやデニムのワイドパンツなど、デニムアイテムも目立つ。テーラードジャケットにショーツのスタイルに合わせるパーカーはナイロンとシルクの混紡。
Eトウツ 15SSコレクション
「シブリング(SIBLING)」は、服装で自己主張し、特定のグループの一員であることを見せつけるティーンエイジャー達を念頭に、パンクやゴシックをモダンにシブリング流にアレンジしたような、荒っぽさと可愛さ、カラフルさが混在するコレクションを見せた。ボディにぴったり沿うニットには花のモチーフが連なりつつ、モヒカンを思わせるヘアやニットのフェイスマスクと組み合わせられる。長いフリンジが全面に下がるニットは次第に大げさになり、最終的にはポンポンのようなビッグシルエットのルックが登場。ティーンエイジャーの自己主張には欠かせないスカルモチーフはトップの前面にニードルパンチで大きく描かれ、可愛い印象も。「ロベール・クレジュリー(Robert Clergerie)」とのコラボレーションによる靴も、パンクスに愛されたドクターマーチンの8アイレットブーツに似た形状ながら品の良い仕上がりに。
シブリング 15SSコレクション
新人合同ショー「マン」での発表を3シーズン経て、初の単独ショーを行った「クレイグ・グリーン(Craig Green)」。全身を白、黒、グリーン等の単色でまとめたコレクションは、脇を開いて紐を垂らしたオーバーパンツ、どこからどこまでが1着なのか見極めるのが難しいレイヤードのトップ、更には背中に付けた船の帆のような、木枠で囲われた大きな布などといった正体不明なアイテムが支配した。ショー後半には、オーバーサイズのニットにワイドパンツという、定番化されたアイテムも登場し、デザイナーの個性的な表現が健在する本ブランドならではのコレクションとなった。
クレイグ・グリーン 15SSコレクション
スポーツウエアをベースにしつつ、様々な要素を取り入れてコレクションを発展させてきた「ナジール・マザール(NASIR MAZHAR)」は今シーズン、フォーマルウエアに目を向けた。シャツはアシメトリーなレイヤーで、ボクサーショーツと組み合わせられるなどして、シルクがスポーツアイテムに生まれ変わるという新しい提案がされた。
ナジール・マザール 15SSメンズコレクション
「タイガー・オブ・スウェーデン(TIGER OF SWEDEN)」がロンドンコレクションに初参加、ブランドとして初のランウェイショーを開催した。タイガー・オブ・スウェーデンは1903年創業のスウェーデンのファッションチェーンで、メンズではテーラリングがシグネチャーとなっている。英国には、ロンドン、ピカデリー他全7店舗。
タイガー・オブ・スウェーデン 15SSメンズコレクション
「バーバリー プローサム(BURBERRY PRORSUM)」は今シーズン、1940年代のタイポグラフィーや書籍の装丁と、エッセイ本『パタゴニア』で知られるトラベルライター、ブルース・チャトウィン(Bruce Chatwin)をインスピレーションに、色鮮やかなコレクションを見せた。新進ミュージシャン、ベンジャミン・クレメンタイン(Benjamin Clementine)のピアノ弾き語りによる生演奏が流れる中、パープル、グリーン、ブルーなどはっきりした色のスエードで仕立てられたコートやジャケットにデニムのインナー、手にはレザーに文字をプリントした大ぶりのノートとバッグを持ったモデルたちが歩く。少しよれたような帽子もまた、鮮やかなイエローやグリーンだ。春夏コレクションでありながらスエードやニットのアウターが目立つのは、気候の異なる世界各地を旅しているからだろうか。ブランドの象徴とされてきたトレンチコートよりも、ミリタリーコートやショートダッフル、フィールドジャケットが目立つ。アウターの素材はスエード、リネン、カシミアなどナチュラル素材のみで、コットンギャバジンに代わる耐久性に優れた素材としてデニムが採用されている。クリストファー・ベイリー(Christopher Baile)がバーバリーCEOに就任後初めてのショーで、ブランドの伝統を受け継ぎつつ新しい時代を作って行くことを宣言したのかもしれない。
バーバリー プローサム 15SSメンズコレクション