工芸と現代アートを繋ぐ、表参道GYREで若手作家3人による“工芸未来派”の展覧会

2017.08.09

東京表参道の「GYRE」内にあるギャラリー「EYE OF GYRE」で8月23日から9月27日まで、若手現代作家3人に焦点を当てた展覧会「Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 -Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ-」が開催される。

「工芸と現代アートを繋ぐものたち」をテーマにした展覧会では、東京芸術大学大学美術館の館長などを務める美術評論家の秋元雄史をキュレーターに迎え、陶芸や金属工芸などの伝統技法を用いた作品を特徴とする若手現代作家の桑田卓郎、木谷洋、見附正康の3人をフィーチャーし、現代アートを拡張する“工芸”の在り方や未来に向けた可能性を探って行く。

岐阜県土岐市に工房を構える桑田卓郎は、1981年広島県生まれ。2001年に京都嵯峨芸術大学短期大学部を卒業後、陶芸家の財満進氏に師事。伝統的な陶芸の技法によるカラフルで独創的な茶碗や巨大な立体作品は、パームスプリングス美術館、金沢21世紀美術館、ミシガン大学美術館などに収蔵されている。1988年奈良県出身の木谷洋は、「工芸」という立場のものづくりから「技術・機能」などの概念を抽出し、再考することを活動の要旨とする。古来より日本の農作業に使われていた鍬や鋤などを象徴的に捕らえて、独自の視点による再解釈で作品化している。石川県加賀市でものづくりを続ける見附正康の作品は、伝統的な赤絵の上絵付けの技法による細密な線画が特徴。その線が生み出す絵画的なイメージやコンピューターグラフィックスで描いたかのような抽象的なパターンは、これまでの赤絵には見られなかった現代的なものだ。

会場では、彼らの代表的な作品を展示するとともに、オープニング前日の8月22日18:30から19:30まで、3人を招いたシンポジウムを開催。スピーカーファッションジャーナリストの生駒芳子氏、モデレーターは秋元雄史氏が務める。

【展覧会情報】
「Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 -Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ-」
会期:8月23日~9月27日
会場:EYE OF GYRE
住所:東京都渋谷神宮前5-10-1 GYRE 3F
時間:11:00~20:00
※シンポジウムは事前申込要(問い合わせ:株式会社ノエチカ/info@noetica.co.jp)
Akiko Hanazawa
  • 見附正康 Masayasu Mitsuke《無題 / untitled》
  • 木谷洋 Hiroshi Kitani 《ワラスグリ / Warasuguri》2016
  • 桑田卓郎 Takuro Kuwata《碗 / Bowl》2013
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