シャネル(CHANEL)の新作ハイジュエリーコレクションが、パリ1区にあるシャネル ファイン ジュエリー パリ ヴァンドーム本店サロンで披露された。タイトルは「レスプリ デュ リオン(L'Esprit du Lion)」。
獅子座生まれのマドモアゼル シャネルは、スーツのボタンやハンドバッグのクラスプに刻印するなど、ライオンを様々なディテールに登場させ、シャネルにとってはいわばエンブレム的な存在だった。そして現在まで、2012年と2013年にそれぞれライオンをテーマにしたジュエリー作品を発表してはいるが、今回はカンボン通りのマドモアゼルのアパルトマンにある、地球に手を乗せるライオン像からインスパイアされた全53点からなる一大コレクションである。
オーバルにカットしたイエローベリルでライオンのオーラを表現したダズリング・シリーズのネックレスや、チェーンの重なりを見事に表現したエターナル・シリーズのネックレス、あるいはブラウンダイヤのグラデーションのチェーンを束ねてスカーフのような繊細なボリュームを出したプロテクティヴ・シリーズのネックレスなど、どれもがシャネルの高いデザイン性を示すものばかり。オーバルカットのダイヤをチェーンで繫げたコマンディング・シリーズのネックレスについては、1,000時間を要したというが、軽量化を目指した結果、総重量100グラムを実現。高い技術力をダイレクトに感じ取ることのできる一点となっている。
その他にも、マドモアゼル シャネルの燃え上がるような情熱を表現したというオレンジトパーズ使用のパッショネイト・シリーズや、繊細なレースのような仕上がりを見せるエターナル・シリーズなど、特筆すべきものばかり。
イエローベリルによるライオンの頭部をセッティングしたウォッチなど、3月にバーゼルで発表予定の「レ ゼテルネル ドゥ シャネル」の3点も披露。また、先述の地球に手を乗せるライオン像からインスパイアされた「パワフル」と名付けられた置時計も発表された。こちらは、彫り抜かれたロッククリスタルの上に、彫金師によって彫刻されたゴールドのライオンがセッティングされたもので、その迫力と豪華さに圧倒される。本コレクションの力強さと繊細さを象徴するような作品となっていた。