ロエベ、深層に潜むジャポニズム【2018-19秋冬ウィメンズ】

2018.03.06

パリのユネスコ部で3月2日、クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンJonathan Anderson)によるロエベLOEWE)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。

ショースペースには、日本人芸術家の工藤哲巳によるネオダダ彫刻と、エドワード・ウィリアム・ゴッドウィン(Edward William Godwin)がデザインした家具や暖炉を配置。一見調和のない室礼に感じさせるが、アーツ&クラフツの伝統におけるゴッドウィンの貢献はビクトリア時代のジャポニズムに強く影響されているという。

ルックは、1900年代半ばに影響を受けたフォルム、テーラリングの概念を覆すかのようなパンツスーツ、スリットを加えたストレートドレスなど、原始主義の退廃による影響を受けながらも、ロエベならではの解釈でオーガニックとインダストリアルが交差する。

今回のショーの各客席には、ロエベが出版した5つのハードカバーの古典小説がゲストへのプレゼントとして用意された。5つの小説のラインアップは、ギュスターヴ・フローベールの『ボヴァリー夫人』(1856年)、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』(1847年)、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』(1897年)、ジョセフ・コンラッドの『闇の奥』(1899年)、 およびミゲル・デ・セルバンテスの『ドン・キホーテ』(1605-1615年)で、スティーブン・マイゼル(Steven Meisel)が撮影した2018-19年秋冬シーズンのキャンペーンにも登場している。
編集部
ページトップへ