今、ファッション界に変化が訪れている。それを知るには、この2人の存在を紐解く必要があるーー。キム・ジョーンズ(Kim Jones)とヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)。
3月19日、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)メンズ部門のアーティスティックディレクターを退任したばかりのキム・ジョーンズが、ディオール オム(DIOR HOMME)のクリエイティブディレクターに就任することが発表された。
2011年から7年間に渡り、ルイ・ヴィトンのデザインを手掛けた彼の功績は、シュプリーム(Supreme)やクリストファー・ネメス(Christopher Nemeth)、藤原ヒロシ主宰のフラグメントデザイン(FRAGMENT DESIGN)など、数々の鮮烈なコラボレーションによって世界中に大旋風を巻き起こしただけではない。メゾンの革新性を大きく飛躍させ、新たなファン層を獲得した立役者であり、“ラグジュアリーなストリートウエア”というニュージャンルを確立させたことによって、ファッションを新たな領域へと押し拡げた初めてのデザイナーと言っていい。
1973年、イギリス・ロンドンに生まれたキム・ジョーンズは、名門セントラル・セント・マーチンズ出身。2003年9月のロンドン・ファッション・ウィークで初めて自分の名前を冠したコレクションを発表し、翌2004年7月にはパリデビューを飾った。その後、2007年2月にニューヨークで最後のコレクションを発表するまで、自身のブランドを続けながら、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)、アンブロ(Umbro)、ヒューゴ・ボス(Hugo Boss)などの企業コラボレーションを成功させ、2008年から約3年間はイギリスの老舗ブランド・ダンヒル(Dunhill)のクリエイティブディレクターを務めた経歴を持つ。
ファッションデザイナーとしてのみならず、雑誌や映像関連のアートディレクター、自然保護活動家としても精力的に活動する彼は、友人が多いことでも知られるが、そのうちの1人が3月26日に彼の後任としてルイ・ヴィトン メンズ部門のアーティスティックディレクターに就任することが発表されたヴァージル・アブローだ。
業界に衝撃が走ったこの発表。キム・ジョーンズも自身のインスタグラムにヴァージルとの写真を投稿し「Congratulation to to my friend Virgil !!! Love and respect (おめでとう友人のヴァージル! 愛とリスペクトを)」とコメント。また、村上隆主宰のカイカイキキギャラリーでの初個展「“PAY PER VIEW”」のために来日していたヴァージルが、「キム ジョーンズ ジーユー プロダクション(KIM JONES GU PRODUCTION)」のオープニングイベントに駆け付けるなど、公私ともに親しい間柄を印象付けた。
オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)のデザイナーであり、カニエ・ウエスト(Kanye West)のスタイルディレクターとしても知られるヴァージル・アブローは、建築家やグラフィックデザイナー、クリエイティブディレクター、DJとしても活躍する、まさにストリートシーンの牽引者として唯一無二の存在だ。自身のブランドでは、これまでにナイキ(NIKE)やジミーチュウ(JIMMY CHOO)、イケア(IKEA)を始め、数々のブランドとのジャンルを超えたコラボレーションを成功に導いた稀代のヒットメーカーでもある。
1980年、アメリカ・シカゴ生まれの彼は、ウィスコンシン大学で土木工学の学位を取得した後、イリノイ工科大学に進学し、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)によって設立されたカリキュラムで建築学修士号を取得。ここで、近代主義的なデザイン原則だけでなく、多角的アプローチの概念も学んだという。実は本格的なファッションの勉強をしたことがないというのは驚きだが、LVMHプライズのファイナリストを始め、ファッション・アワード2017の「アーバン・ リュクス・アワード」や、GQ メン・オブ・ザ・イヤー2017の「インター ナショナル・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」など、これまでのキャリアの中で数々の輝かしい賞を受賞しており、その卓越した才能はお墨付きだ。
枠に収まらないマルチな才能を持つ2人が、これまでの常識や既成概念を覆すアイデアで表現するリアル・モダニティー。そこには、口先だけではない、本来の意味での“ボーダーレスな世界”があると感じるのは私だけではないだろう。
キム・ジョーンズが手掛けるデイオール オムとヴァージル・アブローによるルイ・ヴィトンのデビューコレクションは、いずれも6月のメンズ・ファッション・ウイーク期間中に発表される予定。ファッション界を牽引する二つの才能が生み出す“新しい風”に、今から期待せずにはいられない。
3月19日、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)メンズ部門のアーティスティックディレクターを退任したばかりのキム・ジョーンズが、ディオール オム(DIOR HOMME)のクリエイティブディレクターに就任することが発表された。
2011年から7年間に渡り、ルイ・ヴィトンのデザインを手掛けた彼の功績は、シュプリーム(Supreme)やクリストファー・ネメス(Christopher Nemeth)、藤原ヒロシ主宰のフラグメントデザイン(FRAGMENT DESIGN)など、数々の鮮烈なコラボレーションによって世界中に大旋風を巻き起こしただけではない。メゾンの革新性を大きく飛躍させ、新たなファン層を獲得した立役者であり、“ラグジュアリーなストリートウエア”というニュージャンルを確立させたことによって、ファッションを新たな領域へと押し拡げた初めてのデザイナーと言っていい。
1973年、イギリス・ロンドンに生まれたキム・ジョーンズは、名門セントラル・セント・マーチンズ出身。2003年9月のロンドン・ファッション・ウィークで初めて自分の名前を冠したコレクションを発表し、翌2004年7月にはパリデビューを飾った。その後、2007年2月にニューヨークで最後のコレクションを発表するまで、自身のブランドを続けながら、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)、アンブロ(Umbro)、ヒューゴ・ボス(Hugo Boss)などの企業コラボレーションを成功させ、2008年から約3年間はイギリスの老舗ブランド・ダンヒル(Dunhill)のクリエイティブディレクターを務めた経歴を持つ。
ファッションデザイナーとしてのみならず、雑誌や映像関連のアートディレクター、自然保護活動家としても精力的に活動する彼は、友人が多いことでも知られるが、そのうちの1人が3月26日に彼の後任としてルイ・ヴィトン メンズ部門のアーティスティックディレクターに就任することが発表されたヴァージル・アブローだ。
業界に衝撃が走ったこの発表。キム・ジョーンズも自身のインスタグラムにヴァージルとの写真を投稿し「Congratulation to to my friend Virgil !!! Love and respect (おめでとう友人のヴァージル! 愛とリスペクトを)」とコメント。また、村上隆主宰のカイカイキキギャラリーでの初個展「“PAY PER VIEW”」のために来日していたヴァージルが、「キム ジョーンズ ジーユー プロダクション(KIM JONES GU PRODUCTION)」のオープニングイベントに駆け付けるなど、公私ともに親しい間柄を印象付けた。
オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)のデザイナーであり、カニエ・ウエスト(Kanye West)のスタイルディレクターとしても知られるヴァージル・アブローは、建築家やグラフィックデザイナー、クリエイティブディレクター、DJとしても活躍する、まさにストリートシーンの牽引者として唯一無二の存在だ。自身のブランドでは、これまでにナイキ(NIKE)やジミーチュウ(JIMMY CHOO)、イケア(IKEA)を始め、数々のブランドとのジャンルを超えたコラボレーションを成功に導いた稀代のヒットメーカーでもある。
1980年、アメリカ・シカゴ生まれの彼は、ウィスコンシン大学で土木工学の学位を取得した後、イリノイ工科大学に進学し、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)によって設立されたカリキュラムで建築学修士号を取得。ここで、近代主義的なデザイン原則だけでなく、多角的アプローチの概念も学んだという。実は本格的なファッションの勉強をしたことがないというのは驚きだが、LVMHプライズのファイナリストを始め、ファッション・アワード2017の「アーバン・ リュクス・アワード」や、GQ メン・オブ・ザ・イヤー2017の「インター ナショナル・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」など、これまでのキャリアの中で数々の輝かしい賞を受賞しており、その卓越した才能はお墨付きだ。
枠に収まらないマルチな才能を持つ2人が、これまでの常識や既成概念を覆すアイデアで表現するリアル・モダニティー。そこには、口先だけではない、本来の意味での“ボーダーレスな世界”があると感じるのは私だけではないだろう。
キム・ジョーンズが手掛けるデイオール オムとヴァージル・アブローによるルイ・ヴィトンのデビューコレクションは、いずれも6月のメンズ・ファッション・ウイーク期間中に発表される予定。ファッション界を牽引する二つの才能が生み出す“新しい風”に、今から期待せずにはいられない。