森ビルとチームラボは6月21日、東京・江東区のお台場パレットタウンに「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」をオープンする。6月11日に説明会と内覧会を開催し、「チームラボアスレチックス 運動の森」や、お茶も作品の一部となるカフェ「EN TEA HOUSE」など、世界初公開作品を含む約50作品と全貌を公開した。
森ビルとチームラボによる世界に類を見ない全く新しいミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」。1万平方メートルという圧倒的な巨大空間は5つの世界で構成され、約50作品を展示している。 新たに公開された「チームラボアスレチックス 運動の森」は、“身体で世界を捉え、世界を立体的に考える”をコンセプトに、脳の海馬を成長させ、空間認識能力を鍛える新しい「創造的運動空間」となるもの。複雑で立体的な空間で身体を動かすことで、新しい運動の形を楽しむことができる。
また、カフェ「EN TEA HOUSE」は、チームラボがこれまで行ってきた、食文化の持つ文化的背景を再構築し、デジタルアートによって拡張するという試みをより実践的にしたもので、お茶を入れるとお茶の中に花が咲き、お茶の中に無限に広がる花の世界やアートをそのまま飲むようなものになっている。
説明会でチームラボ代表の猪子寿之氏は「固定概念の枠組みを外し、価値観をほんの少しでも広げることができればいいし、世界から東京に訪れる人たちに楽しんでもらい、東京という街を好きになるきっかけになればと思っている。今は意味がわからなくても未来の何かにつながる場所にしたい」などと挨拶。その上で、「花の森は季節が移ろうように5分後には全く違う風景に変わり、里山の稲穂は今日は緑だが、秋に来ると黄金色になるなど、風景はどんどん変わり、作品も移動していく。目的を持ち、順路に従って見るのではなく、迷い込んで、彷徨いながら自らの身体で探索し、何かを発見してもらえれば」と話した。
また、森ビルMORI Building DIGITAL ART MUSEUM企画運営室の杉山央室長は「東京は経済力は強いが、文化の発信力が弱い。プロジェクトチーム発足から3年。森ビルとチームラボそれぞれの強みを掛け合わせ、これまでの施設作りとは違うチャレンジを行うことで、これまでにない全く新しい施設ができた。世界が日本に注目する2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてここから新しい文化芸術を発信し、東京の磁力(エネルギー)を高めたい」など、開発の経緯と施設に込めた思いを語った。