世界最大級の音楽ストリーミングサービス、Spotifyがプッシュする旬のアーティストが集うイベント「Spotify Early Noise Night」の第6回目が6月15日に開催された。
Spotify上の同名プレイリストと連動し、これからの活躍が期待できる気鋭の国内ニューカマーたちをより広い世間へと知らしめることを目的とした本イベントは、毎回入場料が1,000円という敷居の低さも相まり、毎回若い音楽リスナーを中心に注目を集めている。今回は初の大阪、初のオールナイト開催。シラップ(SIRUP)、ジ・エンギー(the engy)、アトラクションズ(Attractions)、向井太一、あっこゴリラ、アフリカ(AFRICA)のライブアクト6組に加え、関西を中心にインディーリスナーからの信頼の厚いレコードショップ、フレイクレコーズ(FLAKE RECORDS)の店長ダワ(DAWA)がDJに、そしてMCには同じく関西の音楽シーンを盛り上げるFM802から河嶋奈津実、大抜卓人を迎え、濃厚な一夜を演出してくれた。
DAWAのアナログを中心としたDJの後、この日の1番手として登場したのはSIRUP。宇多田ヒカルとの共演、共作などでも話題の小袋成彬率いる「TOKYO RECORDINGS」プロデュース曲「Synapse」で幕を開け、バンドメンバーとの阿吽の呼吸で次々と人気楽曲を披露。中盤にプレイされた新曲「一瞬」はファンキーなディスコ調ともいえるナンバーで、これからのSIRUPの新たなアンセムとして定着する可能性も感じさせてくれた。時にはフルートやサックスまでをも取り入れた生音中心のバンドサウンドが生み出すグルーヴに、会場のオーディエンスも気持ちよさそうに体を揺らす。最後はSIRUPのディスコグラフィー上、Spotify上で最も再生されているという「SWIM」で幕を閉じた。
2番手として登場したのは、京都を拠点とする4人組バンド、the engy。昨年リリースの1st EP『the engy』収録曲でもあり、今年5月にリリースされたばかりの7インチ『Say it』にもカップリングされている「She makes me wonder」を挨拶代わりにプレイ。重心の低い骨太なグルーヴが会場を包み込む。テンポはゆったり目ながらも、その演奏の奥底からは確かな熱量が伝わってくる。ボーカル・山路のパフォーマンスも堂々たるもので、時にギターを奏でながら、そして時にはハンドマイクでオーディエンスを煽る。ブラックミュージックからの強い影響を感じさせるサウンドながらも、安易なわかりやすさ、華やかさには走らない、その硬派な姿勢に魅了されたオーディエンスも少なくないはずだ。
続いてステージに表れたのは、音楽だけでなく、スタイリッシュなルックスにも注目が集まる福岡発の5人組バンド、Attractions。ライブの幕が上がるや否や、ダンサブルかつタイトなバンドサウンドで一気に会場の空気を掌握していく。2000年代以降のUK、USインディーロック的なサウンドを軸としながらも、エレクトロニックな路線や直球のロックナンバーなど、自由に行き来するその横断的なセンスはまさしく今日的。また、英詞の発音も滑らかなボーカル・UROの立ち居振る舞いも実に華やかで、その自由に音楽を楽しむ姿勢はオーディエンスへも伝播していく。リリースされたばかりの「Leilah」や昨年発表された「Knock Away」といったアンセミックなナンバーを次々と披露していく。最後はそして音楽を通じてできた仲間について言及し、「Escapist」で感動的に締めくくった。
「Galaxy Note8」のCMソングにも起用された「FREER」のイントロと共に颯爽と登場したのは、モデルとしても活躍するSSWの向井太一。「Spotify Early Noise Night」へは2度めの出演となる彼は、続いてLUCKY TAPESのKai Takahashiがプロデュースを手がけた「FLY」を披露。会場のボルテージを一気に上げていく。今回はミニマムな編成ながらも、向井の歌声、そして表現力豊かなパフォーマンスはこれまで以上。すでに時計の針は深夜を指していたが、オーディエンスも待ってましたと言わんばかりのリアクションで応えていた。「眠らない街」、「Slow Down」でメロウな側面を出しつつも「Great Yard」から再びジワジワと高揚感を煽っていく。リリースされたばかりのtofubeatsプロデュース曲「Siren」、そして最後はポジティブなヴァイブスに溢れた「空」でこの日何度目かの大団円を演出してくれた。
ニルヴァーナ(Nirvana)をSEに、ショッピングカートに乗せられて登場したあっこゴリラは、何と左足を骨折中。脚立によじ登ると「あっこゴリラです。足折りました。大阪のみんな調子どうですか〜! 」とMC。会場もボリュームマックスな歓声でこれに応える。ちなみに、SEがニルヴァーナだったのは、バンドのフロントマンであるカート・コバーン(Kurt Cobain)とショッピングカートをかけているのだそう。お馴染みのバックバンド、BNNZのソリッドな演奏の上で、負傷を全く感じさせないタイトなラップを次々と披露していく。「電光石火」では鉄板のオーディエンスとの掛け合いを披露し、SpotifyのTVCMにも起用された「ゲリラ」では向井太一とのコラボーレーションを披露。もはや名物化しているバンドメンバーのラップも挟みつつ、メジャー“再”デビュー曲となった「余裕」、ジェンダーへの言及が実に彼女らしい永原真夏とのコラボ曲「ウルトラジェンダー」で駆け抜けるように出番を終えた。
そしてもはや明け方。この日のトリを務めたのは、関西シーンの注目株であり、7月にミニアルバム『砂漠の恋人たち』のリリースを控えるAFRICA。日本語の響きを大切にしたかのような、朴訥としたボーカルとスケールの大きいバンドサウンドは、どこまでも情景描写豊か。まるで大阪・心斎橋の繁華街にいることを忘れ去ってしまうかのような、そんなエスケーピズムを感じさせてくれた。風通しのいい軽快なロックナンバーで、オーディエンスを心地よく踊らせながらも、MCでは尊敬するービードゥー(Scoobie Do)のグッズを紹介するなどして会場の笑いを誘う。最後は昨年MVが公開され、新作にも収録予定の「よろこびのわ」をプレイ。壮大な大自然を想起させるそのサウンドスケープは、朝日が顔を覗き始めてきた朝方を締め括るに相応しいナンバーで、会場は多幸感に満ち溢れていた。
Spotify上の同名プレイリストと連動し、これからの活躍が期待できる気鋭の国内ニューカマーたちをより広い世間へと知らしめることを目的とした本イベントは、毎回入場料が1,000円という敷居の低さも相まり、毎回若い音楽リスナーを中心に注目を集めている。今回は初の大阪、初のオールナイト開催。シラップ(SIRUP)、ジ・エンギー(the engy)、アトラクションズ(Attractions)、向井太一、あっこゴリラ、アフリカ(AFRICA)のライブアクト6組に加え、関西を中心にインディーリスナーからの信頼の厚いレコードショップ、フレイクレコーズ(FLAKE RECORDS)の店長ダワ(DAWA)がDJに、そしてMCには同じく関西の音楽シーンを盛り上げるFM802から河嶋奈津実、大抜卓人を迎え、濃厚な一夜を演出してくれた。
■SIRUP
DAWAのアナログを中心としたDJの後、この日の1番手として登場したのはSIRUP。宇多田ヒカルとの共演、共作などでも話題の小袋成彬率いる「TOKYO RECORDINGS」プロデュース曲「Synapse」で幕を開け、バンドメンバーとの阿吽の呼吸で次々と人気楽曲を披露。中盤にプレイされた新曲「一瞬」はファンキーなディスコ調ともいえるナンバーで、これからのSIRUPの新たなアンセムとして定着する可能性も感じさせてくれた。時にはフルートやサックスまでをも取り入れた生音中心のバンドサウンドが生み出すグルーヴに、会場のオーディエンスも気持ちよさそうに体を揺らす。最後はSIRUPのディスコグラフィー上、Spotify上で最も再生されているという「SWIM」で幕を閉じた。
SIRUP SET LIST
01. Synapse
02. Last Lover
03. LOOP
04. 一瞬
05. Do Well
06. SWIM
01. Synapse
02. Last Lover
03. LOOP
04. 一瞬
05. Do Well
06. SWIM
■the engy
2番手として登場したのは、京都を拠点とする4人組バンド、the engy。昨年リリースの1st EP『the engy』収録曲でもあり、今年5月にリリースされたばかりの7インチ『Say it』にもカップリングされている「She makes me wonder」を挨拶代わりにプレイ。重心の低い骨太なグルーヴが会場を包み込む。テンポはゆったり目ながらも、その演奏の奥底からは確かな熱量が伝わってくる。ボーカル・山路のパフォーマンスも堂々たるもので、時にギターを奏でながら、そして時にはハンドマイクでオーディエンスを煽る。ブラックミュージックからの強い影響を感じさせるサウンドながらも、安易なわかりやすさ、華やかさには走らない、その硬派な姿勢に魅了されたオーディエンスも少なくないはずだ。
the engy SET LIST
01. She makes me wonder
02. Stay where you are
03. Say it
04. Holding you down
05. Empty space
06. Headphones
01. She makes me wonder
02. Stay where you are
03. Say it
04. Holding you down
05. Empty space
06. Headphones
■Attractions
続いてステージに表れたのは、音楽だけでなく、スタイリッシュなルックスにも注目が集まる福岡発の5人組バンド、Attractions。ライブの幕が上がるや否や、ダンサブルかつタイトなバンドサウンドで一気に会場の空気を掌握していく。2000年代以降のUK、USインディーロック的なサウンドを軸としながらも、エレクトロニックな路線や直球のロックナンバーなど、自由に行き来するその横断的なセンスはまさしく今日的。また、英詞の発音も滑らかなボーカル・UROの立ち居振る舞いも実に華やかで、その自由に音楽を楽しむ姿勢はオーディエンスへも伝播していく。リリースされたばかりの「Leilah」や昨年発表された「Knock Away」といったアンセミックなナンバーを次々と披露していく。最後はそして音楽を通じてできた仲間について言及し、「Escapist」で感動的に締めくくった。
■Attractions SET LIST
01. Baby Relax
02. Twilight
03. Leilah
04. Hazy Boy
05. Knock Away
06. Escapist
01. Baby Relax
02. Twilight
03. Leilah
04. Hazy Boy
05. Knock Away
06. Escapist
■向井太一
「Galaxy Note8」のCMソングにも起用された「FREER」のイントロと共に颯爽と登場したのは、モデルとしても活躍するSSWの向井太一。「Spotify Early Noise Night」へは2度めの出演となる彼は、続いてLUCKY TAPESのKai Takahashiがプロデュースを手がけた「FLY」を披露。会場のボルテージを一気に上げていく。今回はミニマムな編成ながらも、向井の歌声、そして表現力豊かなパフォーマンスはこれまで以上。すでに時計の針は深夜を指していたが、オーディエンスも待ってましたと言わんばかりのリアクションで応えていた。「眠らない街」、「Slow Down」でメロウな側面を出しつつも「Great Yard」から再びジワジワと高揚感を煽っていく。リリースされたばかりのtofubeatsプロデュース曲「Siren」、そして最後はポジティブなヴァイブスに溢れた「空」でこの日何度目かの大団円を演出してくれた。
■向井太一 SET LIST
01. FREER
02. FLY
03. 眠らない街
04. SLOW DOWN
05. Great Yard
06. Siren
07. 空
01. FREER
02. FLY
03. 眠らない街
04. SLOW DOWN
05. Great Yard
06. Siren
07. 空
■あっこゴリラ
ニルヴァーナ(Nirvana)をSEに、ショッピングカートに乗せられて登場したあっこゴリラは、何と左足を骨折中。脚立によじ登ると「あっこゴリラです。足折りました。大阪のみんな調子どうですか〜! 」とMC。会場もボリュームマックスな歓声でこれに応える。ちなみに、SEがニルヴァーナだったのは、バンドのフロントマンであるカート・コバーン(Kurt Cobain)とショッピングカートをかけているのだそう。お馴染みのバックバンド、BNNZのソリッドな演奏の上で、負傷を全く感じさせないタイトなラップを次々と披露していく。「電光石火」では鉄板のオーディエンスとの掛け合いを披露し、SpotifyのTVCMにも起用された「ゲリラ」では向井太一とのコラボーレーションを披露。もはや名物化しているバンドメンバーのラップも挟みつつ、メジャー“再”デビュー曲となった「余裕」、ジェンダーへの言及が実に彼女らしい永原真夏とのコラボ曲「ウルトラジェンダー」で駆け抜けるように出番を終えた。
あっこゴリラ SET LIST
01. 地球の歩きかた
02. TOKYO BANANA~TOKYO BANANA 2018
03. 電光石火
04. ゲリラ
05. 余裕
06. ウルトラジェンダー
01. 地球の歩きかた
02. TOKYO BANANA~TOKYO BANANA 2018
03. 電光石火
04. ゲリラ
05. 余裕
06. ウルトラジェンダー
■AFRICA
そしてもはや明け方。この日のトリを務めたのは、関西シーンの注目株であり、7月にミニアルバム『砂漠の恋人たち』のリリースを控えるAFRICA。日本語の響きを大切にしたかのような、朴訥としたボーカルとスケールの大きいバンドサウンドは、どこまでも情景描写豊か。まるで大阪・心斎橋の繁華街にいることを忘れ去ってしまうかのような、そんなエスケーピズムを感じさせてくれた。風通しのいい軽快なロックナンバーで、オーディエンスを心地よく踊らせながらも、MCでは尊敬するービードゥー(Scoobie Do)のグッズを紹介するなどして会場の笑いを誘う。最後は昨年MVが公開され、新作にも収録予定の「よろこびのわ」をプレイ。壮大な大自然を想起させるそのサウンドスケープは、朝日が顔を覗き始めてきた朝方を締め括るに相応しいナンバーで、会場は多幸感に満ち溢れていた。
AFRICA SET LIST
01. 翌朝
02. サマータイム
03. BOY
04. WONDER WONDER
05. アテナ
06. よろこびのわ
01. 翌朝
02. サマータイム
03. BOY
04. WONDER WONDER
05. アテナ
06. よろこびのわ