『大人は判ってくれない』など名作ポスターが一堂に。横須賀美術館でグラフィックデザイナー野口久光の回顧展

開催日:2019.02.09-03.31
2019.01.04
映画ポスターデザインの第一人者として活躍したグラフィックデザイナー、野口久光の回顧展「生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス」が、横須賀美術館で2019年2月9日から3月31日まで開催される。

「大人は判ってくれない」 映画ポスター 1960年

野口久光は、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、映画配給会社・東和商事合資会社(のちの東宝東和)に入社し、ヨーロッパ映画の日公開時のポスターを担当。豊かな表現力による絵と、タイトル文字を作品世界にあわせて描く「描き文字」により、戦前戦後の約30年で、1,000枚以上のポスターを手掛けた。野口の仕事は、当時のグラフィック・デザイン界に大きな影響を与え、コンピューターによるデザインが主流の現代においても、今なお輝き続けている。

同展では、野口が制作したヨーロッパ映画のポスターを中心に、レコードジャケットや、雑誌や本の装丁など約400点の作品・資料により、野口久光の多彩なグラフィック・デザインの世界を紹介する。

「フレンチ・カンカン」(大判) 映画ポスター 1955年

戦前、戦後にかけて映画が一大娯楽であった時代。その中で特に人気を誇ったのがヨーロッパ映画だった。野口はヨーロッパ映画を取り扱う東和商事合資会社で、日本公開時のポスターを手掛け、多くの人々を魅惑的なヨーロッパ映画の世界へと誘った。会場には、野口が手掛けた1,000枚以上のヨーロッパ映画のポスターから、代表作約160点を展示。『禁じられた遊び』、『フレンチ・カンカン』、『第三の男』、『大人は判ってくれない』など、現在でも名作として語り継がれているヨーロッパ映画のポスターが一堂に会する。

「ザ・ルイ・アームストロング・オール・スターズ」 LPレコードジャケット テイチクレコード/1977年
その深い造詣からジャズ、ミュージカルなどの音楽評論家としても活躍した野口。同展では、手掛けたジャズレコードのジャケットの他、親交を重ねたルイ・アームストロング、カウント・ベイシー、デューク・エリントンらジャズジャイアントたちを野口が収めたフォトグリフを公開するなど、ジャズファン必見の内容にもなっている。

また会期中の3月30日には、関連イベントとして「横須賀美術館 シーサイドジャズ コンサート」を同美術館 海の広場で開催。出演者等の詳細、またその他イベントや講演会などについては、同館ホームページ(http://www.yokosuka-moa.jp)にて順次公開される。


【展覧会情報】
生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス
会期:2019年2月9日〜3月31日
会場:横須賀美術館
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
時間:10:00〜18:00
料金:一般900円(720円)、大学生・高校生・65歳以上700円(560円)、中学生以下無料 ※2月17日は無料観覧日、( )内は20名以上の団体料金、市内在住または在学の高校生は無料、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と介助される方1名は無料
休館日:3月4日
編集部
  • 「フレンチ・カンカン」(大判) 映画ポスター 1955年
  • 「大人は判ってくれない」 映画ポスター 1960年
  • 「禁じられた遊び」 映画ポスター 1953年
  • 「第三の男」 映画ポスター 1952年
  • 「ザ・ルイ・アームストロング・オール・スターズ」 LPレコードジャケット テイチクレコード/1977年
  • 「スウィング・セッション・ウイズ・ベニー・グッドマン」SPレコードジャケット 日本ビクター蓄音機/1940年
ページトップへ