日本とポーランドの国交樹立100周年記念事業の現代美術展覧会「セレブレーション-日本ポーランド現代美術展2019 in Japan(CELEBRATION-Japanese-Polish Contemporary Art Exhibition)」が5月18日、京都で開幕した。
京都芸術センター、ロームシアター京都、ザ ターミナル キョウト、二条城・東南隅櫓の京都市内4会場で6月23日までの約1ヶ月にわたって行われる同展(二条城は5月18、19日2日間のみ開催)には、日本とポーランドの若手現代美術アーティスト21組が参加。パフォーマンスや映像、インスタレーションなどの作品は、すべての会場において無料で公開される。また、ポーランドのポズナン、シチュチンの各都市では、同展を再編した展覧会が行われる。
同展はいずれも2000年に設立されたポーランドの国立文化機関であるアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート(Adam Mickiewicz Institute)と京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)の主催により、キュレーションは中欧の現代美術を専門とする加須屋明子・京都市立芸術大学教授と、草間彌生など日本の現代美術を研究するポーランド文化省のパヴェウ・パフチャレク氏(大阪大学博士後期課程)が担当した。
出展作家は先日、ナイキとアンダーカバーのコラボスニーカーのPVに起用され話題になった、コンタクト・ゴンゾ(contact Gonzo)が映像作品で参加。ワルシャワ美術アカデミーと東京藝大で学び写真、映像、音楽、絵画などさまざまな技術を使い、今回は植物を使ったミクストメディアを京町屋(ザ ターミナル キョウト)の床の間に展示しているアグニェシカ・ブシェシァニスカ(Agnieszka Brzezanska)、同町屋のエントランスと地下の防空壕や明倫小学校跡である京都芸術センターの環境を使い、樹脂のオブジェ作品を展示した東影智裕、東京とポーランド・クラクフの両都市に在住し、パンクをテーマとした作品を展開するピョトル・ブヤク(Pitr Bujak)、アーティスト集団「キュピキュピ」を主宰し海外での活動でも知られる石橋義正、本人がモデルとしても登場する映像やインスタレーションなどすべて自身で制作する笹岡由梨子、ロームシアター京都のエントランスに工事用ロープでトラの頭部を制作した岡本光博、造形作品に身体を介在させアクティベートさせたパフォーマンスを作品として提示する谷中祐輔など、日波の若手中堅アーティストのなかでも先鋭的でクリティカルな作風を特徴とする作品がキュレーションされている。
「日本とポーランドの両国と何らかの関係を持つ作家と、ポーランドアートの特徴とも言える内面に深く問いかける作品を特徴とする作家たち」(加須屋明子教授)、「ただ日本とポーランドに滞在して作品を制作するのではなく、それぞれが刺激を与えつつ、何らかの関係性が生まれ、お互い協力して継続していく活動が出来ること」(パヴェウ・パフチャレク)と、キュレーターの2人は今回の企画の意図を説明。主催者のアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートは、今回の展覧会を東京ではなく京都だけで開催した理由を「コマーシャル、経済活動が優先する東京ではなく、歴史を大切にして芸術系の大学も多い京都でじっくりと作品を展示する方法を我々は選択した。セレブレーションのタイトルが示すように過去を振り返るのではなく、未来を見つめ世界が近くなっている現在を提示した」と説明する。
アンジェイ・ワイダやロマン・ポランスキーなどの映画監督を輩出したポーランド映画のDNAを感じさせる社会性の強い映像作品はカロリナ・ブレグワ(Karolina Bregula)、アリツィア・ロガルスカ(AlicjaRogalsaka)などの作品とともに、日本の小泉明郎の作品が各会場で終日鑑賞可能。京都ロームシアターでは川田知志とスタフ・シュムスキ(Stachu Szumski)が今回のために共作した作品が展示されている。
5月17、18、19日のオープニングには京都芸術センターで西原尚とパヴェウ・ロマンチェク(PAWEL ROMANCZUK)の即興演奏、ライブハウス外SOTOで京都を拠点に活動する音楽集団・空間現代とポーランドのギタリスト、フベルト・コストキェヴィチ(Hubert Kostkiewicz)のライブなどが行われた。
Text by Tatsuya Noda
京都芸術センター、ロームシアター京都、ザ ターミナル キョウト、二条城・東南隅櫓の京都市内4会場で6月23日までの約1ヶ月にわたって行われる同展(二条城は5月18、19日2日間のみ開催)には、日本とポーランドの若手現代美術アーティスト21組が参加。パフォーマンスや映像、インスタレーションなどの作品は、すべての会場において無料で公開される。また、ポーランドのポズナン、シチュチンの各都市では、同展を再編した展覧会が行われる。
同展はいずれも2000年に設立されたポーランドの国立文化機関であるアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート(Adam Mickiewicz Institute)と京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)の主催により、キュレーションは中欧の現代美術を専門とする加須屋明子・京都市立芸術大学教授と、草間彌生など日本の現代美術を研究するポーランド文化省のパヴェウ・パフチャレク氏(大阪大学博士後期課程)が担当した。
出展作家は先日、ナイキとアンダーカバーのコラボスニーカーのPVに起用され話題になった、コンタクト・ゴンゾ(contact Gonzo)が映像作品で参加。ワルシャワ美術アカデミーと東京藝大で学び写真、映像、音楽、絵画などさまざまな技術を使い、今回は植物を使ったミクストメディアを京町屋(ザ ターミナル キョウト)の床の間に展示しているアグニェシカ・ブシェシァニスカ(Agnieszka Brzezanska)、同町屋のエントランスと地下の防空壕や明倫小学校跡である京都芸術センターの環境を使い、樹脂のオブジェ作品を展示した東影智裕、東京とポーランド・クラクフの両都市に在住し、パンクをテーマとした作品を展開するピョトル・ブヤク(Pitr Bujak)、アーティスト集団「キュピキュピ」を主宰し海外での活動でも知られる石橋義正、本人がモデルとしても登場する映像やインスタレーションなどすべて自身で制作する笹岡由梨子、ロームシアター京都のエントランスに工事用ロープでトラの頭部を制作した岡本光博、造形作品に身体を介在させアクティベートさせたパフォーマンスを作品として提示する谷中祐輔など、日波の若手中堅アーティストのなかでも先鋭的でクリティカルな作風を特徴とする作品がキュレーションされている。
「日本とポーランドの両国と何らかの関係を持つ作家と、ポーランドアートの特徴とも言える内面に深く問いかける作品を特徴とする作家たち」(加須屋明子教授)、「ただ日本とポーランドに滞在して作品を制作するのではなく、それぞれが刺激を与えつつ、何らかの関係性が生まれ、お互い協力して継続していく活動が出来ること」(パヴェウ・パフチャレク)と、キュレーターの2人は今回の企画の意図を説明。主催者のアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートは、今回の展覧会を東京ではなく京都だけで開催した理由を「コマーシャル、経済活動が優先する東京ではなく、歴史を大切にして芸術系の大学も多い京都でじっくりと作品を展示する方法を我々は選択した。セレブレーションのタイトルが示すように過去を振り返るのではなく、未来を見つめ世界が近くなっている現在を提示した」と説明する。
アンジェイ・ワイダやロマン・ポランスキーなどの映画監督を輩出したポーランド映画のDNAを感じさせる社会性の強い映像作品はカロリナ・ブレグワ(Karolina Bregula)、アリツィア・ロガルスカ(AlicjaRogalsaka)などの作品とともに、日本の小泉明郎の作品が各会場で終日鑑賞可能。京都ロームシアターでは川田知志とスタフ・シュムスキ(Stachu Szumski)が今回のために共作した作品が展示されている。
5月17、18、19日のオープニングには京都芸術センターで西原尚とパヴェウ・ロマンチェク(PAWEL ROMANCZUK)の即興演奏、ライブハウス外SOTOで京都を拠点に活動する音楽集団・空間現代とポーランドのギタリスト、フベルト・コストキェヴィチ(Hubert Kostkiewicz)のライブなどが行われた。
Text by Tatsuya Noda
【イベント情報】
セレブレーション-日本ポーランド現代美術展2019 in Japan
(CELEBRATION-Japanese-Polish Contemporary Art Exhibition)
会期:5月19日〜6月23日
会場・時間:
●芸術センター(京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2)
10:00〜18:00 ※5月29日、6月12日は休業(ギャラリー北・南は20:00まで、無休)
●ロームシアター京都(京都市左京区岡崎最勝寺町13)
10:00〜19:00 ※5月29日、6月3日、6月12日は休業
●ザ ターミナル キョウト(京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424)
10:00〜18:00 ※無休
入場無料
<出展作家>
カロリナ・ブレグワ
アグニェシュカ・ブジェジャンスカ
ピョトル・ブヤク
contact Gonzo
東影智裕
Hyslom
今村遼佑
石橋義正+安藤英由樹
川田知志
小泉明郎
ダニエル・コニウシュ
ロベルト・クシミロフスキ
マリア・ロボダ
松田壯統
岡本光博
アリツィア・ロガルスカ
笹岡由梨子
ウーカシュ・スロヴィエツ
スタフ・シュムスキ
谷中佑輔
山本麻紀子
<イベント>
■パフォーマンス「巨人と眠りーポーランド編」
ポーランド南部にあるタトラに残る伝説を追いかけた実体験を夢と現実の間で思い出しながら語る。即興演奏あり。全員布団に横たわる。
日時:2019年6月23日 14:00〜15:00
会場:京都芸術センター 和室「明倫」 ゲスト:野村誠(音楽家)、やぶくみこ(音楽家)
定員:15名(先着順)※無料・要事前予約
<ポーランドでの展覧会概要(予定)>
■セレブレーション-ポーランド日本現代美術展― in ポズナン
会期:2019年5月31日〜7月31日
※5月31日〜6月9日 ポズナンアートウィーク
会場:ポズナン芸術大学ギャラリー、スターリ・ブロウヴァルほか
■セレブレーション-ポーランド日本現代美術展― in シチェチン
会期:2019年6月13日〜8月31日
会場:トラフォスタツィアほか
セレブレーション-日本ポーランド現代美術展2019 in Japan
(CELEBRATION-Japanese-Polish Contemporary Art Exhibition)
会期:5月19日〜6月23日
会場・時間:
●芸術センター(京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2)
10:00〜18:00 ※5月29日、6月12日は休業(ギャラリー北・南は20:00まで、無休)
●ロームシアター京都(京都市左京区岡崎最勝寺町13)
10:00〜19:00 ※5月29日、6月3日、6月12日は休業
●ザ ターミナル キョウト(京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424)
10:00〜18:00 ※無休
入場無料
<出展作家>
カロリナ・ブレグワ
アグニェシュカ・ブジェジャンスカ
ピョトル・ブヤク
contact Gonzo
東影智裕
Hyslom
今村遼佑
石橋義正+安藤英由樹
川田知志
小泉明郎
ダニエル・コニウシュ
ロベルト・クシミロフスキ
マリア・ロボダ
松田壯統
岡本光博
アリツィア・ロガルスカ
笹岡由梨子
ウーカシュ・スロヴィエツ
スタフ・シュムスキ
谷中佑輔
山本麻紀子
<イベント>
■パフォーマンス「巨人と眠りーポーランド編」
ポーランド南部にあるタトラに残る伝説を追いかけた実体験を夢と現実の間で思い出しながら語る。即興演奏あり。全員布団に横たわる。
日時:2019年6月23日 14:00〜15:00
会場:京都芸術センター 和室「明倫」 ゲスト:野村誠(音楽家)、やぶくみこ(音楽家)
定員:15名(先着順)※無料・要事前予約
<ポーランドでの展覧会概要(予定)>
■セレブレーション-ポーランド日本現代美術展― in ポズナン
会期:2019年5月31日〜7月31日
※5月31日〜6月9日 ポズナンアートウィーク
会場:ポズナン芸術大学ギャラリー、スターリ・ブロウヴァルほか
■セレブレーション-ポーランド日本現代美術展― in シチェチン
会期:2019年6月13日〜8月31日
会場:トラフォスタツィアほか