6月12日、大川ひとみ氏がディレクターを務めるファッションブランド、MILK、MILKBOYの6年振りとなるランウエイショーが、原宿クエストホールで開催された。
FASHION HEADLINEでは、ディレクター・大川ひとみ氏のコメントと合わせ、当日の様子をレポートする。
1970年に設立したMILK。同ブランドは、40年余りの時を経てなお、少女と大人が混在するロマンティックで刺激的なコレクションを原宿から発信し続けている。
ショーの会場となったのは、原宿クエストホール。「原宿」は、ファッションへの思いが芽生える頃、誰もが憧れを抱く街。そして、ストリートカルチャーが生まれる聖地である。
初回のショーを1時間後に控えた会場に入ると、ベビーピンクのスタッフTシャツを着たスタッフたちが足早に歩く様子からも、待ちに待った時を間近に控えた高揚感を感られる。
バックステージでは、メイクを終えたモデルたちがおしゃべりしたり、スマホでセルフィーやSNSをアップしたり。モデルごとのラックには、オリジナルテキスタイルで作られたルックが並ぶ。今回のショーでは、若い子の色々な気持ちやシチュエーションから着想を得た、5つのテーマでコレクションが構成するという。
スタッフは「いつも、MILKでしか買えないというスペシャルな世界観を届けたいと思ってやっています」と語る。
開場時間が近づき、インビテーションを手にした招待客が次々に会場に集まってくる。MILKのファッションに身を包み、原宿の街に足を運ぶ彼女たちの胸にどれほどの期待があるかを察すると、ファッションの持つ力を感じずにはいられない。
幕があける。
(ショーについてはこちら。)
今回、ヘアメイクを担当したのは冨沢ノボル氏。同ブランドが描き出すポップな世界に、ヘアメイクで、さらに奥行を加えていくようだ。ビビッドな赤のアーガイル柄のワンピースには、頭上でまとめた髪に赤いウィッグで、色を差し込んでいる。この僅かな色彩が添えられることで、スタイリングやモデルの持つキャラクターが、より鮮明になっていくのだ。
ヘアメイクが存在感を示したルックのひとつに、映画『GREMLINS(グレムリン)』をモチーフにしたMILKBOYのルックが挙げられる。実は、ショーが始まる前に冨沢氏が、八方に広がったミントブルーのウィッグを指差して、「ここにポップコーンがついてるんですよ」と教えてくれた。
それは、ディレクター大川氏のアイデアを元に、冨沢氏が製作したもの。ランウエイでは、このウィッグをつけたモデルが、手にしたポップコーンを食べたり時には客席に投げながらウォーキングするという演出もみられた。
ショー会場には音楽を手掛けた藤原ヒロシ氏の姿が。“ハロウィン”がキーワードのオープニングでは、『くるみ割り人形』より「第3曲金平糖の精の踊り」をアレンジ。はじまりを予感させるピアノの響きに合わせて徐々にビートが重ねられ、バレエ音楽を新しいスタイルに魅せた。
--レポート2/2ではMILK、MILKBOYのディレクター、大川ひとみ氏にインタビュー。