「21世紀の子供達に、日本の伝統をつなげたい」という想いから実業家・矢島里佳が立ち上げた“0歳から6歳の伝統ブランド”と謳う「和える(aeru)」が注目を集めている。
aeruの商品は、赤ちゃんや子供に優しく、大人にも使いやすく設計。古き日本の伝統技術を最大限に生かしながら、現代の生活に溶け込み、子供が大人に成長しても新鮮に感じられるようなデザインを職人とデザイナーと共に提案する。
内側に“返し”をつけこぼしにくい構造とした「こぼしにくい器」は、愛媛県の砥部焼、石川県の山中漆器、徳島県の大谷焼を採用。中に鈴が入る「和紙ボール」は、日本の名水百選に選ばれた愛媛県西予市の観音水の湧き水で漉いた和紙を使用して制作。赤ちゃんが口にしても安全な素材だ。
その他、江戸時代から続く伝統的な染め技法“天然灰汁発酵建て(てんねんあくはっこうだて)”用いた徳島県の本藍染の産着やタオルは、抗菌作用が高く、オーガニックコットンを使用しているため安全性も高いことから、出産祝いとしても人気を集めているという。
aeruは現在、伊勢丹新宿店本館6階子供服フロアにて期間限定ショップをオープンしている。同フロアは日本の技術、職人が手掛ける“本物・本質”と、現代のライフスタイルを掛け合わせた新しい子育てスタイルを提案するイベント「手と子―育てる日本の手仕事」を8月6日まで開催している。イベントでは、aeruのディレクションを手掛けるデザイナー・太刀川英輔(NOSIGNER)が徳島県で生産される重箱「遊山箱」をリ・デザインした幾何学的な木製小箱「スミ(SUMI)」や、デザイナー・小林幹也がデザインを手掛ける北海道旭川発の木製ブランド「キメ(kime)」なども展開されている。
3日と4日には和紙デザイナー・佐藤友佳理と共に和紙モチーフのオリジナルモビールを制作するワークショップも同フロアで開催される。
矢島は慶應義塾大学在学中に伝統産業界に関心を持ち、全国の職人を訪問。そこで触れた職人技を市場に繋げるため、子供向け伝統産業品という新たな市場開拓を目的とした株式会社和えるを2011年3月大学卒業と同時に立ち上げた。