フランスのファッションジャーナリスト、ダイアン・ペルネ(Diane Pernet)主催の短編映像祭「アスヴォフ・トウキョウ(ASVOFF TOKYO 2013)」が、東京・南青山の「アイドル・トーキョー(IDOL Tokyo)」で開幕した。ダイアン本人も来日し、11月29日に行われた記者発表に登場した。
同イベントは"ファッション、スタイル、ビューティー"をテーマにした短編映像祭として、2008年にスタート。毎年パリでのプレミアが行われ、ニューヨーク・ロンドン・ミラノなど世界の主要都市を巡回しており、日本での開催は5回目となる。今回は、パリのプレミアで発表した作品を中心に43作品を上映する。
お馴染みのオールブラックの装いに身を包んで登場したダイアンは、「ファッションデザイナーを辞め、映画の衣装デザイナーとしてパリに行ったことがファッションフィルムというものを考えるようになったきっかけ。2006年に『イーリーキシモト(ELEY KISHIMOTO)』が初のメンズコレクションをロンドンで発表する際に、ドキュメンタリーの制作を依頼され、そこから何かできるのではないかと思いついた。ASVOFFを立ち上げた当初はファッションのフォトシューティングを動画にまとめたものが多く送られてきたが、ファッションフィルムとはロマン・ポランスキーがプラダに作った『セラピー』のような、物語のある映像だと思う。各国のクリエーター達がASVOFFに出品することで、それぞれが刺激し合って同じ方向へ進んでいけたら。東京は世界一ファッショナブルな都市であり、開催地としてふさわしい」と話した。今回の出品作品の中でお気に入りなのは「Holi Holy」と「She said,She said」とのこと。
日本のファッションシーンについては、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」を注目ブランドとして挙げ、「普通の人がやらないようなことをする”発想力が”面白い。今回の来日では「マメ(mame)」のコレクションを見た。まだあまり表に出ていないデザイナー達にも注目していきたい」と述べた。
ダイアンはパリを拠点に活動する、ファッション評論家・ビデオジャーナリスト。各国のファッションウィークやファッションスクールにおいて若手の才能を発掘している。2005年から自身のブログ「A SHADED VIEW ON FASHION」を運営し、ファッション業界を中心に、世界中のクリエーティブ業界の最新情報を発信している。
モノトーンのインテリアで統一された会場のIDOLでは、ダイアンがフレームインするよう仕掛けられたフォトスポットを設置し、イラストレーターの「MITJABOKU」によるダイアンをモチーフにしたバズルのようなフォトピーズを掲げている。入場価格を1,500円と低価格に設定していることから若年層をターゲットにし、来場者がより楽しめるような空間演出を企図したという。スタッフは日本限定でアメリカンアパレルが製作したスペシャルTシャツをユニフォームとして着用。これには5回目を迎えるASVOFFを、日本で更に盛り上げていきたいとの思いが込められている。
会期中は、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のデザイナー森永邦彦と「ライゾマティクス(rhizomatiks)」の真鍋大度、ダイアン・ペルネとファッションブロガーのミーシャ・ジャネットのトークショーも予定されている。
【イベント情報】
ASVOFF TOKYO 2013
会場:IDOL Tokyo
住所:東京都港区南青山5-11-9地下1階
会期:11月29日から12月1日
料金:一般1day/1,500円、3days/3,000円、学生1day/1,000円、3days/2,500円