やせ過ぎモデルが問題となり、ここ数年、健康的な体型のモデルを起用する動きが高まっているファッション業界。そんな中、カール・ラガーフェルドがフランスのTV番組で「豊満な女性がキャットウォークを歩くのを、だれが見たいと思うんだ」と発言し、ついには女性圧力団体に提訴される事態に発展した。
今回の発言は、つい最近出版された”The World according to Karl”でも語られているもの。同著にある「やせたモデルを非難しているのは、ポテトチップスの袋を手にテレビの前に座っている主婦たち」「フランスの社会保障制度を圧迫しているのは、健康に問題のある太り過ぎの人たち」という自説を番組中にも繰り返した。
ラガーフェルド自身、10年以上前に約42キロの減量に成功。以来、著書やメディアで、肥満体型の人たちへ批判的な発言をしてきた。かつて歌手のアデルについて「ちょっと太りすぎ」とコメントし、物議をかもしたこともある。
こうした彼の発言を「中傷であり、偏見」だと訴えたのは、ふくよかな女性の権利保護を求める団体“Belle, Ronde, Sexy et Je M’assume (Beautiful, Curvy, Sexy and Fine with It)”。代表のオブリエール氏はAFP通信に「有名人によるこうした侮辱的な発言には、もううんざり。不安定な年頃の女の子たちに悪影響を与え、学校でのいじめや職場での偏見を助長する原因にもなっている」とコメントしている。