ミントデザインズ(mintdesigns)の2017-18年秋冬コレクションが3月24日、昨年春にオープンした東京・表参道の直営店を会場に行われた。ゲストは商品、ディスプレイが取り払われた店内にいる18名のモデルを、店の外からガラス越しに見るという趣向。
モデルは規則的に移動したり、ダンスを楽しんだりというパフォーマンスを15分ごとに4回公演。“作品”は、街のざわめきやショー実施中の裏道の混乱などを含めて“今”を表現したインスターレーションとなった。
テーマは「She is so British…」。大きさの異なったハウンドトゥースのパターンを組み合わせた格子柄やグレンチェックに格子柄のレースをオーバー刺繍、ヘリンボーンツィードのカットソー、ブリティッシュローズのジャガードなど英国スタイルを象徴するモチーフを、凝ったオリジナルテキスタイルで表現。
それをピンストライプのスーパーサイズのシャツドレスや、ウールのコート、フィッシャーマンニット、大きく折り返したワイドパンツなど英国らしいアイテムと組み合わせ、ブリティッシュウーマンの可愛らしさとおてんばさが詰まった18ルックが披露された。
ピンストライプのウールの生地にはお菓子のパッケージをイメージさせる「Mint studio」のマークが刺繍してあったり、コートの裏には彼らの初期からのテーマである「HAPPY MISTAKE!」のテープがパイピングしてあったりと、隅々まで考えられたデザイン。このブランドの人気の秘密が随所に隠されている。
前シーズンの地下鉄をテーマにしたNYから、今回は英国がテーマ。その背景にはトランプ騒動からブレグジットなど、情報と変化の早い社会に対するこのブランドからのひとつの答えなのかもしれないが、ショーの前日の3月23日(現地時間22日)には図らずもロンドンの国会議事堂付近でテロが発生のニュースが駆け巡った。その偶然の関連性に、この二人組のデザイナーにはいつも驚かされる。
Text: 野田達哉