6月11日に開業する、地上52階建て・高さ247mの「虎ノ門ヒルズ」(東京都港区虎ノ門1-23-1から4)。特定建築者として建設を担った森ビルは4日、竣工記者会見を開いた。
同施設は、日本初進出となるラグジュアリーホテル「アンダーズ 東京」、1フロア約3,300平方メートルの広大なオフィス、ホテルサービスも利用できる眺望抜群のハイクラス住宅、国際水準のカンファレンス施設、飲食店を中心とした24店が入居する商業施設、約6,000平方メートルのオープンスペースで構成され、東京を代表する新たなランドマークとして東京の新しい魅力を世界へ発信していく。
会見に登壇した森ビル代表取締役社長の辻慎吾氏は、施設概要と併せて周辺エリアの開発を含めた同社の今後の戦略展開を発表。虎ノ門ヒルズの地下を貫通する環状2号線(新橋・虎ノ門間)が68年の歳月を経て今年3月に開通。地上部の「新虎通り」は、東京都が今年3月に立ち上げた「東京シャンゼリゼプロジェクト」に伴い東京の新たなシンボルストリートとして整備を進める。最大で片側約13mのゆとりのある歩行者空間や街路樹、自転車道が確保され、パリのシャンゼリゼ大通りのように、都道をにぎわいの場として街全体の活性化を図っていく。
虎ノ門ヒルズの誕生はこれと相まって、2020年東京五輪に向けた東京再生の先駆けとして、世界的企業が集積しグローバルな人々が集う街を目指す“新橋・虎ノ門エリア”の飛躍的な発展を目論む。森ビルは街づくりのノウハウを最大限に活用し、周辺開発やエリアの活性化に貢献していく意向だ。六本木五丁目西地区、虎ノ門・麻布台地区など今後10年間で10の大規模プロジェクトを推進。 区域面積約22万平方メートル、事業規模1兆円の開発を行う。至近のホテルオークラ東京も19年春にリニューアルオープンを控えている。
辻社長は、「官民連携で道路と一体整備した虎ノ門ヒルズは都市再生のモデルであり、 森ビルの理想とする“バーティカルガーデンシティ(垂直庭園都市)”の具現化でもある。国家戦略特区、2020年東京五輪が決まり、これは最大かつ最後のチャンス。自社はこの虎ノ門ヒルズを起爆剤にエリア一体の磁力を高めていき、周辺の再々開発を進めていく」とコメントした。
虎ノ門は森ビル創業の地。新橋、愛宕、霞ヶ関とビル街に囲まれる同所は意外と大規模ビルが少ない。虎ノ門ヒルズを導火線に森ビルが古巣をどう開発していくか注目が集まる。