日本橋三越本店では、同店全フロアで京都の文化を感じことができる「Kyoto Week ―わたしの好きな京都―」を11月11日まで開催している。本館1階中央ホールでは、京都を5感で感じることができるイベントを実施、同店本館7階では京都のグルメや和雑貨などを販売する「京名物 洛趣展」(11月10日まで)も同時開催している。
本館1階中央ホールでは、京都を感じることができる様々な体験イベントが開催される。1887年創業し、世界で唯一カラーコロタイプ印刷技術を持ち、美術界に貢献する「便利堂」からは、明治期の貴重な京都の情景を映した作品を展示し、京都の今と昔の写真を楽しむことができる。11月8・9日には職人によるカラーコロタイプ印刷の実演販売も行われる。
「パシフィック ムーン レコード(Pacific Moon Records)」も同店と協力。和をモチーフとした瑞々しい音のクリエーションを表現する異色のレーベルで、会場では琴や尺八にギターという異色の編成で癒しを奏でる“遠TONE音”による生演奏(8日11時、14時から)、ピアノの音色で京都を表現する渡辺雅二の生演奏(9日11時、14時から)も披露され、京の雅が音で広がる。
京都宮川町からは舞妓が来店し、雅な京都の芸事を披露するイベント(8日13時、15時半から、9日11時、15時から)や、舞妓さんおすすめの観光スポットも紹介される。会場にはJR東海「そうだ 京都、行こう。」のポスターアーカイブも並び、京都への旅情を誘う秋にこだわった美しいアートクリエーションをプレゼンテーション。京都への憧憬を誘っている。
また、1645年の創業以来、宇治茶の新しい伝統を目指す「松北園」の期間限定カフェ(10時から18時半)も登場。抹茶・和菓子セット(800円)などのメニューの他、はじめての抹茶体験コーナー(500円/8・9日12時、15時から)も開催する。
同店本館7階「はじまりのカフェ( Hajimarino cafe)」では、“京都を体験できる”ワークショップも開催する。「いづう」と「山本本家」による鯖寿司と日本酒の楽しみ方(2,000円/8日14時から、定員16名)、「鶴屋吉信」の親子で楽しむ和菓子教室(2,000円/9日14時から、定員16名)も行われる。
今回の催事について、企画担当者の石黒浩也氏は、「現在、百貨店の物産展を取り巻く環境は年々変化している。かつて、物流や通信インフラが未熟であった頃は、百貨店の物産催事は“東京で味わえる地方文化”という位置づけであったが、現在は外的環境も大いに変化し、地方の美味しい産品や工芸品はネットやアンテナショップでも買うことができる。では、“百貨店に求められている物産展は何か”と問われた時の答えは、“地方の空気(世界観)を演出すること”“地方が生み出す価値観を文化的に発信していくこと”です。つまり、日本橋の三越だけにしかできない品ぞろえ、環境、サービスの価値を独自の切り口で提案していくことが重要ですね。今回の当店の催事は、五感に訴えかける要素がふんだんに盛り込まれている。“日本橋の京都”へ是非遊びに来てください」と語る。