10月15日、伊勢丹新宿店本館1階 ザ・ステージに「ケイタマルヤマ(KEITAMARUYAMA)」の20周年を記念したミュージアム「丸山景観」が登場、丸山敬太本人も同店を訪れ、オープニングのあいさつを行った。
同ミュージアムショップのオープン会期は21日まで。ミュージアム内には「JAPAN」「アニバーサリー」「アーカイブ」「ギフト」をテーマにした数々の限定商品や記念グッズが並び、館内に華やかな息吹をもたらした。
同店が15日から展開するキャンペーン「イセタン ジャパンセンセィズ(JAPAN SENSES)」を意識した「20th スペシャルスカジャン」(28万円)は、着物の打掛に刺繍を施す桐生の職人が、約29時間掛けて、KEITAMARUYAMA20年分の図柄から選ばれたデザインを手差しした逸品。限定6着だ。
全体に花びらを施したデコラティブなオートクチュールコート(50万円)は、染めから手作業で行った逸品で、裏地にはサーカス柄とオリジナルレースが施される。過去のアーカイブコレクションからの復刻刺繍ニット(5万6,000円から)には、ドラゴン、梅と鶯、菊と芍薬、スワン、ロックンロールサーカスなど、ブランドを象徴するモチーフが細やかな刺繍として施されている。
また、英国アンティーク品を中心に幅広い家具を扱う「ロイズ・アンティークス(Lloyd's Antiques)」とコラボレーションして作ったフロアランプ(19万円)、トランク(12万4,000円)など味のあるインテリア類が会場に華やかさを添える。会場の壁面装飾にはアーカイブコレクションに使われた図柄が用いられ、ステージ全体がケイタマルヤマカラーに染められている。
さらに、会場前面には丸山が手掛けた、ドリームズカムトゥルー吉田美和の衣装がお目見え。「ドリームズカムトゥルー ワンダーランド2007」の際に着用されたもので、今回のキャンペーンのために吉田本人から借用したものだという。
会期初日となる15日朝には、丸山敬太の他、ミュージアムディレクションを担当したアートディレクター・森本千絵も来場した。同店で20年前にキャリアをスタートさせた丸山氏は、2011年に次いで、今回3回目となるキャンペーンをザ・ステージで行うことについて、「僕の“百貨店でこんなことしたい”という妄想を形にできてすごく嬉しい」と表現した。また、「子供の頃から伊勢丹が大好きだった」というだけあり、期間中の催し物アイディア提案も積極的に行ったという。「お客さんにはいろんなフロアを見て回ることを楽しんでほしいと思い、館内中に台を設置してスタンプラリーすることを思いついた」と明かした。
更に、「日本人は春夏秋冬を愛でる素晴らしい感覚を持っていて、それは海外に出ていくときの武器になると思うが、作ったものを上手に売ってくれる人がいないと意味がない。そういう意味において、作品の良さをしっかりと発信してくれる伊勢丹、ジャパンセンセィズの展開は素晴らしいと思う」と話した。
また、森本氏は「丸山さんが日本の伝統を愛しているのは一目瞭然だが、今回一緒に仕事したことで、日本の素晴らしさをそのまま発信しているのでなく、どんなストーリーを持った商品にすればお客に楽しんでもらえるかを考えていることが分かった。しかも、そうした創意工夫によって、伝統を守る職人達と若い世代をつなげる役割を果たしているところがすごい」とコメント。
今回のプロジェクトに携わり、間近でその仕事ぶりを確認する前は「デザインの美しさでインパクトを与えることに重きを置いているかと思っていた」と森本氏。共に作品を作り上げる中で、丸山のものづくりに対する姿勢に共感を覚えたという。
10月19日には丸山が伊勢丹新宿店の1日店長を務め、開店時のお出迎えやお客とのランチ、お茶会にも参加する。またイベント期間中は、タレントの清水ミチコによる店内アナウンスも流れるという。