映画監督のアン・リー（李安）は1954年10月23日生まれ。台湾出身。

75年に国立芸術大学を卒業すると渡米する。イリノイ州立大学演劇科とニューヨーク大学映画製作化で学ぶと、短編映画『Fine Line』でニューヨーク大学学生映画祭の作品賞と監督賞を受賞した。その後は、個人で映画の脚本などを製作していたが、91年にインディペンデント映画製作会社「グッド・マシーン」を設立。頑固者の中国人が息子夫婦とアメリカで共同生活する姿を描いた『推手』で長編映画デビューを果たす。93年には『ウエディング・バンケット』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した他、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。

その後、95年には『いつか晴れた日に』でアカデミー賞脚色賞を受賞した他、全7部門にノミネート。00年に中国の武侠小説を原作とした『グリーン・ディスティニー』を公開すると、アカデミー4部門を受賞して、彼の名を世界に知れ渡らせた。03年にはアメコミを映画化した『ハルク』を発表。全米で興行収入1億ドルを超える大ヒットを記録している。05年にはカウボーイのラブストーリーを描いた『ブロークバック・マウンテン』で、アジア人としては初めてアカデミー監督賞を受賞。12年にも『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』でアカデミー監督賞を受賞した。

これらの活動を評価し、中国政府は06年に二等景星勲章を、13年には一等景星勲章を授与。また、12年にはフランス芸術文化勲章を授与されている。