西武鉄道は、2018年度に“これまでにない新しい発想”の新型特急車両を導入する。車両デザインは、建築家の妹島和世(せじま かずよ)が担当する。
8両×7編成の56両の導入となる同車両は、現在運行している10000系車両「ニューレッドアロー」以来、同社が25年ぶりに新造する新型特急車両。今後の西武鉄道のフラッグシップトレインとなる。
デザインコンセプトの策定、外観・内観のデザインを担当するのは妹島和世。建築ユニット・SANAAとして建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞し、世界的に活躍する妹島は、10年に第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務めたほか、これまでに金沢21世紀美術館やフランス・ルーブル美術館のランス分館などの建築にも携わってきた。新型車両のデザインでは、シャープさや格好良さを求めていたこれまでとは異なり、自然の中で風景に溶け込むような優しさややわらかさを表現する。
今回デザインを担当することについて、妹島は「“いままでに見たことのない新しい特急車両を”ということでお話をいただきました。特急のデザインはもちろん初めてですが、建築と一番違うのはいろいろな場所を走ることができることだと思います。秩父の山の中や都心の街の中と、いろいろな風景の中を走る特急が、やわらかくその風景と共にあるようになれたら良いと思いました。また、たくさんの方々がみんな思い思いにくつろげるリビングルームのような、今日もまた乗りたいと思うような特急になればと思っています」とコメントしている。