東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、写真界の巨匠アンリ カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)の写真展『こころの眼L'Imaginaire d'après nature 』が開催されている。
会期は2013年1月18日(金)から2月10日(日)まで。入場無料。
「私にとってカメラは、スケッチブックであり、直観と自発性の操る道具であり、そして視覚的な意味において、質問を投げかけると同時に決定をくだす、瞬間の支配者である」と語ったブレッソンは、写真をルポルタージュ技術からひとつの芸術へと高めた人物として、同時代の写真家の中でも突出した評価を受けている。本展では、そんな彼の写真美学が集約された選りすぐりの代表作54点を紹介する。
ブレッソンは1908年、フランス、セーヌエマルヌ県シャントルーで生まれ、若い頃にシュルレアリズムを中心とする絵画に強い関心を持ち始めた。アフリカ象牙海岸に1年滞在後の1932年、ライカカメラとの出会いをきっかけに写真への情熱を抱き、1933年にはニューヨークのジュリアン・レヴィ・ギャラリーで初の個展を開催。その後、ジャン・ルノアール(Jean Renoir)の映画の仕事にも参加している。1940年の大戦では捕虜となるも1943年、3度目の試みで脱走に成功し、その後は囚人や脱走兵を支援する地下組織に加わった。1945年には、ジャーナリスト集団の一員としてパリ解放をカメラに収めたほか、ドキュメンタリー映画『帰還』を撮影している。
1947年、ロバート・キャパ(Robert Capa)、ジョージ・ロジャー(George Rodger)、デビッド・シム・シーモア(David Chim Seymour)、ウィリアム・ヴァンディヴァート(William Vandivert)とともに、写真家グループ「マグナム・フォト」を設立。その後3年間にわたり東洋を旅した後、1952年にヨーロッパに戻り、初の写真集となる『決定的瞬間』(フランス語版原題「逃げ去るイメージ」)を出版。1968年以降は写真家としての活動を減らし、デッサンや油絵に力を注ぎ始める。2003年には、自身の作品の管理を目的とした「アンリ カルティエ=ブレッソン財団」を妻と娘とともにパリで設立。数え切れないほどの表彰や名誉博士号を授与されてる。2004年8月3日、96歳の誕生日の数週間前に、プロヴァンスの自宅で永眠した。
【展覧会情報】
アンリ カルティエ=ブレッソン写真展『こころの眼 L'Imaginaire d'après nature 』
会期:2013年1月18日(金)から2月10日(日)
会場:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F シャネル・ネクサス・ホール
開廊時間:12:00から20:00
入場無料・無休