香川県高松市を拠点に活動しているアーティスト、井内宏美のインスタレーション「ナツノトビラ」が伊勢丹新宿店2階イセタンガールギャラリーにて24日から始まっている。6月25日まで。
本展では、故郷・香川の自然からインスピレーションを得たモチーフを描いた絵画を始め、ライフワークとなっている輪郭線の肖像画をシルクスクリーンプリントした「塗り絵プロジェクト」や、日記のように描き溜めた「デイリー・ドローイング」シリーズなどの新作が展示されている。
また、川久保玲率いるコムデギャルソン(COMME des GARÇONS)で5年間パタンナーを務めた「カーク・ボレー(Quarc Beaurais)」デザイナー・内田智之とコラボレーションしたTシャツやタペストリーを展示。井内の新作「Fantastical Explosion」を全面にプリントしたTシャツは伊勢丹で先行販売される。
2008年に個展を開催して以来、約5年ぶりの個展となる井内。ここ数年は、自身のスタイルを研究するため制作に没頭、作品を描き溜めてきた。「今まで重たいテーマを描いてきたが、今年に入り“光”を描きたいという気持ちが生まれ、気持ちがポジティブに向いてきた。アートのフィールドではコンセプトが重要で遊び心を忘れがちになるが、今回は大好きなファッションとの融合ということで遊び心を存分に生かすことができ楽しく制作できた」と話す。
また、今回のインスタレーションをプロデュースした田口まきさんは彼女の作品を「コンセプトがはっきりしていてミニマルで反復する作風でありつつ、エモーショナルでダイナミックな相反する魅力を持っている作家。ファッションからも影響を受けた色のトーンが素晴らしい」と評す。
井内は1981年、香川県生まれ。主に絵画を制作するが、彫刻、パフォーマンス、ファッションデザイナーとのコラボレーショ ンなど、活動は多岐に渡る。これまでにニューヨークやパリ、上海など世界各地で展示活動を開催。現在は生まれ故郷の香川を拠点に制作活動を行う。9月にはオランダ・アムステルダムのギャラリー「Willem Baars Projects」で展示を控えている。