グンゼの児玉和社長は2014年の経営方針として「挑戦・新生・結集」の三つをキーワードとして掲げた。一方、2013年度の推移を振り返って上半期は増収増益となり、下半期もそのペースを維持できたが、これは機能ソリューション事業部の業績に依るところが大きかったと分析する。
同社の基幹事業であるアパレルは円安と中国の人件費高騰で苦戦傾向が続いた。今後はアパレル事業の立て直しについて、「生産性のさらなる向上」「中国工場での生産品を中国現地で販売することの強化」「国内の自動化機を海外工場にも導入しての省力化」の三つの対策を採る。
今年掲げた3キーワードの意味は、「挑戦」がニーズの掘り起こしとコアコンピタンスの強化、クロスファンクショナルアプローチ(CFA)による事業部の壁を超えた取り組みでの新市場・新チャネルを創造する。
「新生」がコアSBU(強化すべき戦略ビジネスユニット)へ経営資源を集中し、事業構造の変革を目指す。「結集」は従業員満足度の向上に努め自社ブランドへのロイヤリティーを高めると共に多様化を受け入れる組織風土を醸成する。
2014年度は更に、7ヶ年の中期経営計画のスタートの年と位置付ける。この計画では機能ソリューション事業を成長エンジンとして想定すると共に、健康・メディカル事業を第4の柱として育成する。また、アパレル事業はそれほどの成長を見込んでいないが、ブランドの再強化に取り組む。海外での現地販売を強化する前に自国内での知名度を再度高めることに注力する。
児玉社長は「以前は高い認知度を誇った『グンゼの肌着』だが、残念ながら近年それが低下している。自国内で知名度を得られていないブランドが海外の販売で成功するはずがない。まず足元の自国内を固めてから」と意気込みを述べた。