伊勢丹新宿店は、1月2日より新春企画として歌舞伎の語源ともされる、江戸時代に華美に着飾った最先端のファッションを指す言葉「傾く(かぶく)」をキーワードにした「お正月ミュージアム」を本館6階催物場で開催する。1月5日まで。
三越資料室が保有する明治から昭和の歌舞伎衣装13点を歌舞伎コンシェルジュの辻和子のイラストと解説と合わせて展示する。中でも目を引くのは「助六」の中に登場する花魁“揚巻(あげまき)”の新春の打ち掛け。羽子板、お飾り、門松が刺繍されており、新春に見ると縁起が良いと言い伝えられてきた衣装。しかも昭和8年の歌舞伎座で六代目尾上菊五郎が着用したものだという。
また、山本寛斎の歌舞伎からインスパイアされた当時のコレクションから「凧絵」のマントのレプリカなどが展示される。同時に伊勢丹新宿店本館2階TOKYO解放区では約20年振りに山本寛斎のコレクションが小売店で販売される「Kansai Yamamoto POP UP STORE @ TOKYO解放区」を同時開催。ポップアップショップは1月14日まで。
お正月ミュージアムでは、歌舞伎や和装にまつわるトークイベントも多数。1月2日には「KABUKIとBASARA」と題した山本寛斎によるトークショーも開催され、日本人としての表現に込められた日本文化のスピリットを語る他、同店のショーウインドーに飾るビジュアルを手掛けたアーティスト、レディ・アイコやファッションディレクターの山口壮大らが参加する。
また日替わりで、獅子舞や和楽器の演奏、お雑煮やお汁粉などのイートインコーナー、浅草の飴職人・手塚新理による飴細工など、お正月らしい遊びや演芸を展開し、日本のお正月を遊ぶこと、装うこと、食すことの切り口で提案する。1月3日にはアートユニット「ヘソ(heso)」によるフードライブが実施され、歌舞伎の要素を取り入れたフードとドリンクが無料で振る舞われる