山本寛斎がロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)で11月1日、キャットウォークショーを開催。20年間の集大成と、新作コレクションを披露、にファッションの本流へと回帰した。
1993年以降ファッションからパフォーミングアートへと軸を移し活動を続けてきた寛斎にとって、1971年に日本人デザイナーとして初めてロンドンでコレクションを発表したデビュー以来42年の時を経てロンドンに戻ってきた。
今回のイベント開催のきっかけは、V&Aで今春に行われたデビッド・ボウイ展。ボウイ直々の指名で山本が手掛けたステージ衣装などが同展で最も注目を集めたため、V&A側の働きかけによりショーが実現したのだという。
ショーの冒頭には大胆な和柄の着流し風マントを纏った女性モデルが登場。ランウエイで仁王立ちになると両脇に従えた黒子がマントを剥ぎ取り、中からボウイがアラジンセインツアーで着用した縞柄のボディスーツが現れる、という歌舞伎の早替えにも似たギミックも披露。
続いて発表された新作コレクションも全面的に和をフィーチャー。安土桃山時代に端を発した南蛮美術をベースに、当時のパンクファッションとも言える『婆娑羅』にインスパイアされたデザインが登場。山本寛斎のシグネチャーでもある和の原色使いと豪奢な図柄は、華美な装飾で彩られた。フィナーレで山本が姿を見せると、観客席からは歓声が飛び、スタンディングオベーションが贈られた。
ファッションショーで披露された最新コレクションは、2014年1月2日から14日までの期間、伊勢丹新宿店2階TOKYO解放区のポップアップストアで先行販売される。