ブラジル・サンパウロ生まれのアーティスト、ヴィック・ムニーズ(Vik Muniz)。現在はニューヨークとリオデジャネイロを行き来して活動を行っている。その彼が「Pictures of Magazines 2」と称されたシリーズ作品を展開している。
そのシリーズは雑誌や書籍の一部分を手でちぎり取り、貼りあわせたもので絵を完成させるというもの。その途方もない制作行程を経て作り上げられたのは、なんとゴッホ、マネ、セザンヌの歴史的に有名な名画だ。
作品に使われた素材は、再現した絵画とは全く無関係な雑誌や書籍。じっくりと細部を見てみるとタブロイド誌の切り抜きと思われるスカーレット・ヨハンソン、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ、『STAR WARS』の人気キャラクターC3POなど、見れば見るほど様々な人物を見つけ出すことができる。しかしどの素材も特別扱いをせずすべてに等しい価値、存在感を持たせているのだという。
現代では過剰ともいえる多量の情報の中で私たちは生活しており、その情報の中には価値のあるものもあれば、ゴミのようなものもある。この「Pictures of Magazines 2」シリーズでは絶え間無く情報が入り乱れている様子を表しているそうだ。
ヴィックは他にも、チョコレートで写真を見事に再現した「Pictures of Chocolate」、ゴミ捨て場から集めた廃棄物で巨大な絵を描いた「Pictures of Garbage」など独創的なシリーズを展開している。
※本記事は (引用元: http://vikmuniz.net/、VAGA info@vagarights.com) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。