細密画や大型彫刻、インスタレーションまで、その変幻自在なスタイルで我々を魅了してきたアーティスト、マッドサキ（MADSAKI）の個展「WANNABIE’S COLLECTION」が、7月16日まで、東京・六本木のCLEAR EDITION & GALLERYで開催されている。

昨年、同ギャラリーで開催された個展「WANNABIE’S」では、無知な作家が世界中の名画をコピーすることによってマーケットでの名声を得る、というストーリーのもと、MADSAKIが“wannabe（なりたがり）“を演じながら自身の新たな側面を発表。多くの作家が大衆芸術や氾濫したイメージを自身の作品に取り込むように、不本意な形であったとしても、MADSAKIもまた大衆に浸透した今日のアートのイメージを流用し、作品を提示した。

「WANNABIE’S」と同シリーズとなる今回の個展「WANNABIE’S COLLECTION」は、そのwannabe（なりたがり）アーティストが、到底自分のお金では買えない好きな作品を自ら描いてしまった“世界最高峰のコレクション展“。マーケットのトッププレイヤーでもあるコレクター達への羨望や敬意、畏怖といった複雑な感情を投影した作品展でもある同展は、到底自分のお金では買えない作品を自ら描いてコレクション展と題した作家の悲哀と、贋作ではない“粗悪なコピー”を通して、落札金額に全世界が一喜一憂するアートを取り巻く劇場的な状況への些細な抵抗が垣間見れる。

【イベント情報】
MADSAKI「WANNABIE’S COLLECTION」
会場：CLEAR EDITION & GALLERY
住所：東京都港区六本木7丁目18-8岸田ビル2F
会期：6月10日～7月16日
時間：11:00～19:00
料金：無料
休廊日：日、月曜、祝日