日本橋三越本館1階中央ホールにて、「おへそ的、買い物のすすめ展」が開催中だ。同展は、雑誌『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)の創刊10周年を記念して開催されたもの。これに伴い、9月23日に記念レセプションパーティーが行われた。
同誌における「暮らしのおへそ」とは、“その人だけが持つ習慣、その人の根っこをつくるもの”。例えば「散歩する」「パンを焼く」「週末は湖畔で過ごす」など、一人ひとりの特有の習慣やもの、およびそれぞれがその対象とどのように向き合っているかを紹介することで、豊かな人生を生きるためのヒントを提示している。
開催中のイベントにおけるテーマもこれと同様で、食品から衣料品、雑貨まで、それがあることによって心の豊かさが増し、いつもとは違った喜びで心を満たすことができるものを選りすぐって紹介する。
出展者は『暮らしのおへそ』バックナンバーにも登場したことがある面々で、雑誌掲載時からファンだという客も数多く会場に運んでいる形だ。
無論、出展者たちも自らの作品ファンに会えるのを心待ちにしていた。
リネン製品を中心に扱うブランド、オールドマンズテーラー(R&D M.Co-)のデザイナー、しむら祐次・とく夫妻は「雑誌を見て、今回の展示のために地方から日本橋まで足を運んでくださった方もいる」と明かし、アクセサリーブランド、ヒーミー(himie)のデザイナー下川宏道は、「目の肥えたお客さんが多いのは日本橋ならでは」と客層の違いを楽しんでいる様子。
また、トラム(TRAM)のデザイナー水上真由美は、自身のブランドでは「使えば使うほど味が出ること」や「日本の暮らしになじむこと」を意識して集めた家具や雑貨をセレクトしていると話すが、そうした考え方もまた、その人なりの“おへそ”を形作っているのかもしれない。
開催初日に開かれたレセプションでは、『暮らしのおへそ』ディレクターの一田憲子が挨拶。「10周年を迎えることができたのは、私に自分の“おへそ”のことを話してくれたみなさんのおかげ」と感謝の言葉を述べ、スペシャルゲストとして、過去に同誌に登場した作家の桐島洋子を紹介した。桐島は「おへそは私にとって“中心にあるもの”。(原稿の)依頼をいただいたとき、自分の中心にドンッときたような感覚を覚えてうれしかったです」と微笑みを見せた。
同展の開催は9月29日まで。担当バイヤーは、「男女の枠や世代を超えて、誰もが“これが好きだから”という理由で手に取りたくなるものを集めている。それぞれの商品に共感してくれる人に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。