6月のピッティ・ウオモはいつもお祭りだ。日没が9時を過ぎるということもあって街は観光客で溢れ、メイン会場のフォルテッツァ・ダ・バッソもご機嫌な演出で来場者を出迎えてくれる。
しかしながら、今年は暑すぎる。アスレジャー、ノームコアのトレンドの反動もあって、テクニカル素材との混紡の綿麻、サマーウールのスーツ、スリーピースに革靴、ボストンバッグというブリティッシュテーラードのスタイルが復活。それらの商品を扱うセレクトショップのインフルエンサーたちが、ピッティ気分を盛り上げてくれるが、正当派のイタリアンクラシコの紳士は、アウトサイドではあまり見かけない。一方で、この数年ピッティでもブースを設けている「Born in the USA」をベースにしたスタイルが目立つ。
スケート、クラブカルチャーに同期する30、40代。同期はできないがサーフィンやロック、ディスコにシンパシーを感じる50代がユースカルチャーという見えないムーブメントに引きずられているように感じる。
いずれにせよ、ピッティに集まるすべての紳士たちに愛を込めて。
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Text & Snap:Tatsuya noda