雑誌『ワイアード(WIRED)』が主催する、次世代クリエイター発掘のためのイベント「CREATIVE HACK AWARD 2014」の授賞式が26日に行われた。
今年のアワードでは『「CONNECT」コネクト“つながり”を発見し、改変せよ』をテーマに、グラフィック、ムービー、3Dプロダクト、アイディアの4部門で作品を募集した。9月30日までの約3か月間で364作品が応募され、ライゾマティクスの齋藤精一など、8人の審査員によってグランプリが選出されている。なお、その基準としては今後の日本のクリエイターに求められる資質や、担うべき領域を最重視し、ビジネスマインドやコミュニケーション能力を感じられるような作品が選ばれた。
グランプリを取得した「Morphing Cube」は、大学院生の山岡潤一による作品。三次元コンピューターグラフィックスによる描画のプロセスを、丸ゴムをモーター制御によって変形させることで、現実世界に再現している。キューブ、台形、四角柱、平面体など形状は自由自在に変化し、Kinectと連動させることで、人の動きに合わせた動作も可能となった。
準グランプリを獲得したのは、専門学生の長田淳美による「わたしと私」。右ページに小説、左ページに絵本を描いたブック形式の作品で、小説から拾った言葉をつなぎ合わせることで、絵本の物語が展開していく。小説は“子供に戻りたい大人の物語”を、絵本は“大人になりたい子供の物語”を綴っており、2つの物語の主人公がストーリーの中で交差するという仕掛けもユニークだ。
その他、グラフィック部門では200枚のGIFイラストをつなぎ合わせた「剣舞」が、ムービー部門ではパフォーマンスバトルを3Dホログラム技術を用いて格闘ゲーム風にアレンジした「NINCHRO FIGHT with HUMAN BEATBOX」が、3Dプロダクツ部門では音声データの波紋を円周形に囲むことで物体化した「Voice 想いと形をコネクトする」がそれぞれ受賞。ベストアイディア賞にはプロジェクションマッピングや透過型スクリーンなどを用いて、能の楽しさを再発見するための演出を提案する『「能」がつなぐ Japan culture!』が選ばれた。
なお、応募者による発表があまりに好評だったことから、今年の審査では急遽ベストプレゼンテーション賞が新設された。第1回目に選ばれたのは会社員の土屋泰洋で、ムービー部門に投稿された「INTERNET SHRINE」での受賞となった。