「レクサス(LEXUS)」は、世界を目指す若手デザイナーを支援する国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2015」の入賞作品審査会を11月24日に東京・南青山のインターセクト バイ レクサスで開催した。2013年にスタートし、今回で3回目となるこ同コンペだがこの度初めて公開審査が行われた。
これまでは世界各国に散らばる審査員達が各々に作品を評価していたが、今回初めて4名のメンターと6名の審査員の全10 名が一堂に会した。メンターとして参加したのは、デザイナーのマックス・ラム(Max Lamb)、建築家・エンジニアのアーサー・ファン(Arthur Huang)、ゲームデザイナーのロビン・ハニキー(Robin Hunicke)、建築家・デザイナーのネリ・アンド・フー(Lyndon Neri & Rossana Hu)。
審査員は、建築家の伊東豊雄、工業デザイナーでデザインブーム(designboom.com)の共同創立者兼編集長のバーギット・ローマン(Birgit Lohmann) 、ニューヨーク近代美術館建築・デザイン部門のシニアキュレーター パオラ・アントネッリ(Paola Antonelli)、デザイン評論家のアリス・ローソーン (Alice Rawsthorn)、香港の視覚文化博物館「M+ Museum」キュレーターのアリック・チェン (Aric Chen)、 LEXUS INTERNATIONAL PRESIDENTの福市得雄。
今回のテーマは、人が生まれ持つ“SENSES”「五感」。2,000点を超える作品が集まった。審査当日は、メンターによる20の入賞候補作品が発表され、審査員による最終確認が行われた。世界中から集まった10名は各作品について熱い議論を繰り広げ、予定時間を過ぎてもデザイン談義は終わらなく、新たな才能を発掘しようという情熱を見せた。
レクサスは、2012年からブランド価値向上のためグローバルブランドとしての広告戦略や、レクサスマガジン通じたライフスタイル提案、若手映画監督の支援プロジェクト「Lexus Short Films」などを2012年にスタートしている。このデザインアワードもその取り組みの一つだ。
「若い才能を世の中に送り出していくという社会への貢献がブランド価値として返ってくると信じている。高級車の購入理由のトップが、デザインとブランド。デザインは、単なる形ではなくメーカーと顧客をつなぐコミュニケーションのための言葉でもあり、ブランドのフィロソフィーを体現するもの。デザイン業界とつながることで、プロダクトにもいつかフィードバックがあると考えている」とレクサスブランドマネジメント部部長レクサス企画部主査の高田敦史氏は語る。
第1・2回の受賞者の中には、ミラノサローネの展示をきっかけにデザイナーとしての活動の幅を広げるなど成果が出てきているという。「大切なのは、レクサスの企画を通じて、クリエーター達の名前がいろいろな所に出ること。しっかりPRして、クリエーティブな才能をサポートしていきたい」と同氏。
第1回から審査員として参加しているアントネッリ氏は、「ランプや時計、モバイルアプリ、インタラクティブ作品など、幅広い作品が集まった。デザインは世界の未来への鍵となるもの。若い才能をこれからも応援し続けたい。日本には洗練された素晴らしいクリエーションが沢山あるのだから、それをどんどん輸出していくべき。それには企業だけでなく、政府ももっと応援すべきだ」と話す。また、「(レクサスデザイナワードは)メンターによるプロトタイプ製作が行われるのが素晴らしい。入賞したデザイナー達と情熱に溢れたメンター達による化学反応でどのような作品が生まれるのか楽しみだ」と期待を膨らませる。
今後、12の入賞作品が決定され、うち4名はメンターと共に実際にプロトタイプを試作。来年4月に開催されるミラノデザインウィーク2015のレクサス会場では全12作品が展示され、最終審査を経て「LEXUS DESIGN AWARD 2015」の頂点となるグランプリ1作品が決定される。