東京・弁天町にある草間彌生美術館では10月1日から18年2月25日まで、開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」が開催される。
最新絵画シリーズ「わが永遠の魂」を中心に構成するこけら落とし展となる同展。2階から5階のギャラリー構成となっており、今なお進化し続ける草間の最新作と、鮮烈な絵筆の息吹を肌で感じることの出来る貴重な機会となっている。
■2階ギャラリー
「わが永遠の魂」の先駆けとなるフリーハンドで描かれたモノクロドローイングシリーズ「愛はとこしえ」から27点が登場。黒のマーカーで迷いなく描かれるモノクロの画面に、線や水玉といった抽象的な形象の反復、集積といった草間の代表的要素に加え、同作以降顕著に現れる宇宙人のような不思議でユーモラスなキャラクターといった具象的イメージが融合している。
■3階ギャラリー
鮮やかな色彩あふれるアクリル絵画であり、大型の絵画連作となる「わが永遠の魂」が展示される。当初100点を目指していた同シリーズは、1日に1点、あるいは2日に1点という驚異的なペースで制作され、現時点で530点を超える中から、未公開作品を含めた16点を作家が厳選。草間佐芸術の集大成を目にすることができる。
■4階ギャラリー/5階屋上ギャラリー
同展のために制作された最新インスタレーション作品「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」が登場する。1965年に初めて制作した鏡を使った作品「無限の鏡の間-ファルスの原野」以降、草間はミラールームと呼ばれる体感型作品を多数発表してきた。最新作では、種苗業を営む生家に生まれ、幼少期から「太っ腹の飾らぬ容貌」と興味を抱いてきたかぼちゃを題材に、暗闇に瞬く水玉のかぼちゃビジョンがミラールームの中で無限に反復する。宇宙に浮かぶかぼちゃ畑にいるかのような、没入型の作品となっている。
加えて、5階屋上では新作のかぼちゃ立体作品「Starry Pumpkin」が展開する。
また、10月22日の14時30分からは同館館長である建畠晢による講演会が開催される。加えて、10月7日と28日の14時30分からは、学芸員によるギャラリートークが行われる。いずれもそれぞれの時間の入場者限定となっている。
なお、同展は1日4回の入れ替え制で、各回定員50名となっている。チケットは同館ウェブサイト(http://www.yayoikusamamuseum.jp)でのオンライン販売のみ。
【イベント情報】
「草間彌生美術館開館記念展『創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき』」
会期:10月1日~18年2月25日
会場:草間彌生美術館
住所:東京都新宿区弁天町107
時間:11:00~17:00(入れ替え制)
閉館日:月曜~水曜(祝日は除く)、12月25日~18年1月17日
入館料:一般1,000円、小中高生600円、未就学児無料