日本ならではのジュエリーを生み出す作家、工房、ジュエラーを一堂に紹介する「日本のアートジュエリー展」が日本橋三越本店で始まった。
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一世紀を超える歴史を持つ三越の宝飾品では、昨年初めて「日本のアートジュエリー展」を開催した。西洋のジュエリーとは異なる魅力をもつメイド・イン・ジャパンのアートジュエリーは、多くの人を魅了。今年はさらに規模を拡大し、伝統、革新、独創性を兼ね備えた日本発ジュエリーの未来を創造するアーティスティックな世界が繰り広げられている。
ブローチ兼ペンダントヘッド「白鳥城」税込410万4,000円 / ノブコ イシカワ
夏椿(ナツツバキ)ブローチ&ペンダントトップ 税込114万4,800円 / 三木稔
今回は、本展に参加する作家たちへクリエーションの源や見どころについてインタビューしたレポートをお届けする。
エナメル技法をもちいて作品を手掛ける作家・村松司氏は「自然界のなかにある植物や動物、それらの生命力をテーマにしている。そこに存在する美しい色をエナメル技法と石の輝きで表現している」と語る。ステンドグラスのような輝きが美しい蓮の葉を始め、かわいい姿の蛙やてんとう虫などチャーミングな作品がずらり。村松氏は「一瞬の盛りをきりとって、見る人に感動を与える作品を作り続けたい」と話す。
村松司氏
蓮のブローチ 税込302万4,000円
小さきものへの愛があふれた村松司氏の作品。左上時計回りにベニテングタケ、カエル、チェリー
雅趣にとんだ世界を表現する大倉堂の代表・大倉仁氏。「春といえば桜、冬は寒椿のように、自然とともに生きる日本人だから沸きでるイメージがある。花を照らす月の光、寒椿に落ちるひとひらの雪のような、常に情感を作品へと落とし込みたい」と語る大倉氏。日本の伝統工芸である漆を取り入れている点にも注目をしたい。
情感のあるアートジュエリーを手掛ける大倉仁氏は、「人の心を動かす作品をつくりたい」と話す
咲き誇る桜をモチーフにした作品「桜花(OUKA)」
自然界のなかにある日本ならではの美学が息づく大倉堂のジュエリー
螺鈿蒔絵で装飾したジュエリーを手掛ける永坂景子氏は、「独創的なクリエーションを、と人間国宝の蒔絵師・室瀬和美に師事。宝石に負けない、独特の艶や輝きがある螺鈿細工の魅力を多くの人に伝えたい」とコメント。伝統技法を使った、幻想的でモダンなデザインは、日本はもちろん海外にもファンが多い。制作工程が多く半年から一年かかるため、本展のように作品がならぶことは珍しいそうだ。「本展では蒔絵ワークショップを開催予定。伝統工芸の技を体験してほしい」と来場者へメッセージを送る。
永坂景子氏
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作品が国立美術館に収蔵されるなど、国内外から評価が高い舟串盛雄氏は「手を動かすことによってデザインが自然と生まれる」と話す。そして「誰かが身につけて、初めてジュエリーになる。だからこそ装飾性と装着性のバランスを大事にしている」とも。本展で注目したい作品は、上品な輝きを放つネックレスだ。誰がつけても美しく見えるように立体感や曲線にこだわっている。「見るだけで試着する人はとても少ない。身に着けてこそアートジュエリーとなるので、本展では気軽に試してほしい」と話した。
舟串盛雄氏
ペンダントブローチ 税込186万3,000円 / 舟串盛雄
「人が身に着けて初めてジュエリーになる」と語る舟串盛雄氏による作品
ジュエリークレスト 周防・石井として活動する石井恵理子氏。「夫の周防貴紀とふたりで作品を製作。デザイン性だけではなく、社会的なメッセージを込めたジュエリーを発信している」。丸く大きな真珠と椀型のホワイトゴールドを組み合わせたジュエリーは、「人の体はすべて曲線でできている。女性らしい丸みあるデザインには、先行不安な時代に平和や安心というメッセージも込めている」そう。
「日本の伝統意匠や文様などをデザインに取り入れることも」と、夫婦でユニットを組む石井恵理子氏
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ロンドンでジュエリーブランド、マイコ ナガヤマ(MAIKO NAGAYAMA)を展開する永山真維子氏。クリエーションの源泉は「カタチやモチーフではなく、街の人々の会話、そしてさまざまな社会現象のなかに見出すことが多い」と言う。SNSに着想を得て、コミュニケーションできるジュエリーを仕掛けるなど、自由な感性でアートジュエリーの世界に新風を吹き込んでいる。「モノがあふれている時代ですが、本展のように芸術性の高いアートジュエリーが並ぶことはめったにない。ジュエリーでの芸術表現を楽しんでほしい」。
永山真維子氏
コンテンポラリーオートカクテル 税込413万1,000円
人間の本能行動とパプアニューギニアの鳥をイメージしてつくった永山真維子氏の作品
「日本のアートジュエリー展」会場では、「5大宝石の魅力」を同時開催。ジュエリーに携わる作家本人と作品との触れ合いを介して、日本発のアートジュエリーの世界をじっくりと堪能してほしい。
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一世紀を超える歴史を持つ三越の宝飾品では、昨年初めて「日本のアートジュエリー展」を開催した。西洋のジュエリーとは異なる魅力をもつメイド・イン・ジャパンのアートジュエリーは、多くの人を魅了。今年はさらに規模を拡大し、伝統、革新、独創性を兼ね備えた日本発ジュエリーの未来を創造するアーティスティックな世界が繰り広げられている。
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今回は、本展に参加する作家たちへクリエーションの源や見どころについてインタビューしたレポートをお届けする。
エナメル技法をもちいて作品を手掛ける作家・村松司氏は「自然界のなかにある植物や動物、それらの生命力をテーマにしている。そこに存在する美しい色をエナメル技法と石の輝きで表現している」と語る。ステンドグラスのような輝きが美しい蓮の葉を始め、かわいい姿の蛙やてんとう虫などチャーミングな作品がずらり。村松氏は「一瞬の盛りをきりとって、見る人に感動を与える作品を作り続けたい」と話す。
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雅趣にとんだ世界を表現する大倉堂の代表・大倉仁氏。「春といえば桜、冬は寒椿のように、自然とともに生きる日本人だから沸きでるイメージがある。花を照らす月の光、寒椿に落ちるひとひらの雪のような、常に情感を作品へと落とし込みたい」と語る大倉氏。日本の伝統工芸である漆を取り入れている点にも注目をしたい。
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螺鈿蒔絵で装飾したジュエリーを手掛ける永坂景子氏は、「独創的なクリエーションを、と人間国宝の蒔絵師・室瀬和美に師事。宝石に負けない、独特の艶や輝きがある螺鈿細工の魅力を多くの人に伝えたい」とコメント。伝統技法を使った、幻想的でモダンなデザインは、日本はもちろん海外にもファンが多い。制作工程が多く半年から一年かかるため、本展のように作品がならぶことは珍しいそうだ。「本展では蒔絵ワークショップを開催予定。伝統工芸の技を体験してほしい」と来場者へメッセージを送る。
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作品が国立美術館に収蔵されるなど、国内外から評価が高い舟串盛雄氏は「手を動かすことによってデザインが自然と生まれる」と話す。そして「誰かが身につけて、初めてジュエリーになる。だからこそ装飾性と装着性のバランスを大事にしている」とも。本展で注目したい作品は、上品な輝きを放つネックレスだ。誰がつけても美しく見えるように立体感や曲線にこだわっている。「見るだけで試着する人はとても少ない。身に着けてこそアートジュエリーとなるので、本展では気軽に試してほしい」と話した。
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ジュエリークレスト 周防・石井として活動する石井恵理子氏。「夫の周防貴紀とふたりで作品を製作。デザイン性だけではなく、社会的なメッセージを込めたジュエリーを発信している」。丸く大きな真珠と椀型のホワイトゴールドを組み合わせたジュエリーは、「人の体はすべて曲線でできている。女性らしい丸みあるデザインには、先行不安な時代に平和や安心というメッセージも込めている」そう。
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ロンドンでジュエリーブランド、マイコ ナガヤマ(MAIKO NAGAYAMA)を展開する永山真維子氏。クリエーションの源泉は「カタチやモチーフではなく、街の人々の会話、そしてさまざまな社会現象のなかに見出すことが多い」と言う。SNSに着想を得て、コミュニケーションできるジュエリーを仕掛けるなど、自由な感性でアートジュエリーの世界に新風を吹き込んでいる。「モノがあふれている時代ですが、本展のように芸術性の高いアートジュエリーが並ぶことはめったにない。ジュエリーでの芸術表現を楽しんでほしい」。
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「日本のアートジュエリー展」会場では、「5大宝石の魅力」を同時開催。ジュエリーに携わる作家本人と作品との触れ合いを介して、日本発のアートジュエリーの世界をじっくりと堪能してほしい。
【イベント情報】
日本のアートジュエリー展
会場:日本橋三越本店 本館7階 催物会場
住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1
会期:7月18日~23日
時間:10:00~19:00(最終日は18:00まで)
出展者:
ノブコ イシカワ、大倉堂、三木稔、村松司、舟串盛雄、三谷紘史、川田紀夫、永坂景子、ジュエリークレスト 周防・石井、今井繁、永山真維子、ジャウマ・ラブロ、ボンド・ストリート
入場無料
URL: http://www.mitsukoshiguide.jp/artjewelry/
日本のアートジュエリー展
会場:日本橋三越本店 本館7階 催物会場
住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1
会期:7月18日~23日
時間:10:00~19:00(最終日は18:00まで)
出展者:
ノブコ イシカワ、大倉堂、三木稔、村松司、舟串盛雄、三谷紘史、川田紀夫、永坂景子、ジュエリークレスト 周防・石井、今井繁、永山真維子、ジャウマ・ラブロ、ボンド・ストリート
入場無料
URL: http://www.mitsukoshiguide.jp/artjewelry/