アジアのファッショントレンドを発信する展示会「センターステージ(CENTRESTAGE)」では、最終日となる9月7日に香港の若手デザイナーの登竜門として知られる「香港ヤング・ファッション・デザイナーズ・コンテンスト(以下、YDC)」が開催され、センターステージは幕を閉じた。
YDCは、香港ファッションの国際的な認知をさらに高めるために、若手デザイナーの才能を育成し促進することを目的とした団体。今年は、香港の若手デザイナー16名がエントリーしコレクションを披露した。
審査をするのは、HKTDCガーメントアドバイザリーコミッティー議長ローレンス・レオン、香港のセレクトショップ「ジョイス(JOYCE)」のマーチャンダイジングジェネラルマネージャー/マーチャンダイジングヘッドのマイケル・モック、「Tomorrow Ltd」のシニアエリアマネージャー(アジア)のジョナサン・リー、『VOGUE HONGKONG』編集長のピーター・ウォン。スタイリスト兼アートディレクターのデクラン・チャン。「i.t apparels Limited」のフットウエア責任者であるバージニア・チャン、そして、VIP審査員には「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」のデザイナーである三原康裕が担当した。
16名の香港デザイナーの中から厳粛な審査により選ばれたのは3名。優勝者は、ウィルソン・イップ(Wilson Yip)だった。
ウィルソン・イップは、賞金とミハラヤスヒロ(MIHARA YASUHIRO)のスタジオで1ヶ月のインターンシップとして学べる資格を得た。
続いて2位はルイス・チョウ(Louis Chow)、3位のエンゾー・チャン(Enzo Chan)は新人賞も同時に受賞した。
YDCの特別審査員を終えた三原は、優勝したウィルソン・イップ(Wilson Yip)について、「一番良かった。“Forgetful Still=忘れっぽい”というコンセプトがとてもチャーミングですよね。情けない人からクリエーションを生み出したところにユーモアがあった。見ていて楽しかったです」とコメントした。また、これから活躍する若手デザイナーについて、「単純に好きなことだけをやるってとても難しいこと。また、ファッションは残酷なところもあって、飽きられたりブームが去ったりすると、先に進もうとしても進めなくなることがある。長く続けることは簡単ではない。どれだけ人を魅了するものをつくっているか...がとても大事なことなんです」とアドバイスを残した。会場では、三原が特別審査員として紹介された瞬間歓声が湧き上がった。世界が注目する「ミハラヤスヒロ」への関心の高さが伺えた。
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