5月9日から、NYのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュート(The Costume Institute of The Metropolitan Museum)で、パンクとクチュールの関係に焦点を当てた「パンク:カオスからクチュールまで(PUNK: Chaos to Couture)」展が開催される。8月14日まで。
反体制の象徴、パンクムーブメントと、ファッション界における貴族階級ともいえるクチュールの世界。対極にあるようにも見える両者だが、パンク音楽が生まれた1970年代半ばから今日に至るまで、そのファッションはトップメゾンのデザイナーたちに大きな影響を与えてきた。安全ピン、スタッズ、スパイク、ジッパー、グラフィティ…。トップデザイナーたちは、パンクロッカーたちが用いる"D.I.Y(Do-It-Yourself、自分自身で作るの意)"アイテムをデザインに取り入れ、既存のスタイルへの反骨精神を表現してきた。
本展では、「The Clothes of Heroes(ヒーロー達の洋服)」「D.I.Y. Hardware(D.I.Yとメタルパーツ)」など、テーマ別に分けられた展示室に、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)、クリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)、エディ・スリマン(Hedi Slimane)、川久保玲、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)、山本耀司、渡辺淳弥を始め、総勢40名にも及ぶトップデザイナーたちの作品を展示。パンクムーブメントとハイファッションの関係・歴史を検証しながら、ひとつの時代を創り上げたブロンディ(Blondie)やラモーンズ(Ramones)、パティ・スミス(Patti Smith)、シド・ヴィシャス(Sid Vicious)ら、パンクヒーローたちへオマージュを捧げる。
また、写真家ニック・ナイト(Nick Knight)がクリエーティブコンサルタントを務め、一般公開に先駆け5月6日に開催されるオープニングガラには、ビヨンセ(Beyoncé)が同コスチューム・インスティチュート名誉会員として登場。同委員会には、米ヴォーグ編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)や「ジバンシィ」クリエーティブディレクターのリカルド・ティッシらも名を連ねる。
更に、本展のスポンサーでもある、トップメゾンのコレクションをプレオーダーできるオンラインストア「モーダ・オペランディ(Moda Operandi)」では、5月2日より、展覧会にちなんだ「パンクコレクション(punk collection)」を発売する。このコレクションには、「ジバンシィ(GIVENCHY)」、「バルマン(BALMAIN)」、「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」などが参加している。