3月29日、六本木アメリカンクラブにて、雑誌『GQジャパン(JAPAN)』創刊10周年を記念し、「GQ JAPAN・テンスイヤー・ザ・キックオフパーティー(10TH YEAR THE KICKOFF PARTY)」がユナイテッドアローズ(UA)協賛のもと開かれた。
会場にて、就任1年ほどが経った同誌編集長・鈴木正文氏にメディアについて話を聞いた。
「GQではあまり小手先のことは考えず、男性誌の王道を行く誌面作りを心掛けている。男が読んで納得がいくストーリーが載っていることが大事。大人の男の視線から森羅万象、ライフスタイルだけでなく政治経済をポジティブに切っていく。読者にはいろんな価値観に対しオープンで、自分の頭で考えられる、豊かな人生を送ってもらいたい」と説明する。
最近、女性ファッション誌2誌の休刊が決まったばかり。ウェブメディアが台頭し、雑誌業界低迷の声が常に上がっているが、「紙とウェブ両方あった方がいい。我々はマルチプラットフォームメディアと題し、紙、ウェブ、アプリを展開している。各プラットフォームを用意することでシナジーを生むと考えている。四六時中ウェブばっかり見ているわけではないし、紙は落ち着いて読み込める利点がある。メディアはコンテンツと表現のスタイルの問題。コンテンツを作ってどう載せるかが問題なわけで、紙とウェブで食い合うとは思わない」との見解。
最後に、パーティースナップなどでよく姿を目にする同氏に、かっこいい男性像を尋ねると、「有名な人はみんなかっこいい。じゃないと(世間に)名前出ないでしょ。彼らに共通しているのは失敗を重ねて来たこと。くじけるけど立ち直る。僕はいつもしょげてばかり(笑)。だからなるべく、くよくよしないように注意している。体力が一番だよ」と締めくくった。
パーティーでは鈴木編集長を司会に、カラー(kolor)デザイナー阿部潤一、UAクリエーティブディレクター鴨志田康人、同バイヤー兼原宿本店メンズ館ディレクター小木“Poggy”基史らのトークショーを開催。この10年間でのファッション界の傑作、今のお気に入りアイテムなどを語り合う中、「トムブラウン(THOM BROWNE)」が話題の中心に。「2004年デビューが衝撃的」(鴨志田氏)や「アメリカントラッドを掘り下げ、メンズスーツ全体の勉強になった。米国版のGQでロールスロイスの前で、トムブラウンを着こなしたファレル・ウィリアムズなど着こなしの参考にしている」(小木氏)など、マニアックな意見が飛び出た。
トークショー後は、トウワ・テイ(TOWA TEI)のDJによるカクテルタイムへ。UA会長、重松理や服飾史家の中野香織などが姿を見せた。