LVMHグループの現代アートミュージアム「ルイ・ヴィトン ファウンデーション」が10月27日、パリ・ブローニュの森北部にあるアクリマタシオン庭園にオープンする。
ルイ・ヴィトン ファウンデーションはアート及びアーティストのために設けられた財団で、現代アートのフランス国内外における奨励・振興を目的として設立された。今回その発信拠点として、同名の施設が誕生する。設計を手掛けたのは世界的に著名な建築家、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)だ。LVMH グループCEO のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)から依頼されたという。
ファサードはヨットの帆からインスパイアされたというガラスの曲面パネルがランダムに重なり、雲のように浮遊感のあるデザイン。一方向に起伏のある姿は生物的でもある。以前、メタルの3次曲面でビルバオ・グッゲンハイム美術館やウォルト・ディズニー・コンサートホールを造り出し、その威容で見る者を圧倒した脱構築主義建築の旗手・ゲーリー。ルイ・ヴィトン ファウンデーションはその創造性が存分に引き出されたインパクトある建築に仕上がっている。パリの注目スポットとなることは間違いないだろう。
内部には常設展示、特別展示、アーティスト委託作品用と展示ギャラリーが設けられ、複数のジャンルにわたるパフォーマンスやイベントのための多目的ホールも併設する。
オープニングプログラムの一環として、同財団のためにゲーリーが手掛けた建築プロジェクトを紹介するエキシビションを開催。ゲーリーにとってヨーロッパ初となる回顧展も、同月にパリ・ポンピドゥー・センターで連動して催される。
2006年に建設が発表された同施設。当初2010年開業が予定されていた。今年春には竣工し、オープン日に注目が集まっていた。