なぜこんなにも、心が揺さぶられるのだろう。(『THE STUDY OF COMME des GARCONS』/南谷えり子、リトル・モアより)
今最もデジタル上で熱い視線を注がれているファッショニスタは、13歳のマッピーでも、マドモアゼル・ユリアでもなく、ましてやレディー・ガガでもない。ツイッターで超話題の大学生“ギャルソン氏”だろう。
タイムラインを読む限り、明治大学生であり、ピアノをたしなむようだ。そのつぶやきはコム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)への偏愛にあふれている。
「僕は コムデギャルソンのために 生まれてきたと思う。」
「僕の顔がダメとか言ってる人いるけど、イケメンだから似合うとかそーゆー考え方してる時点でファッションを分かってない。ファッションに顔とか関係ないよ!特にコムデギャルソン。万人共通の国民服だからね!」
「コムデギャルソンのためなら ・変態だと思われてもいい ・友達減ってもいい ・女の子にドン引きされてもいい ・彼女いなくてもいい ・結婚できなくてもいい ・マイホームはいらない ・マイカーもいらない ・ご飯食べなくてもいい そ れ で も コムデギャルソンが着たい。」(以上タイムラインママ)
大学入学後コム デ ギャルソンに42万円使い、そして毎日ギャルソンを着ているが故、あだ名が“ぎゃるそん”となったという。
素晴らしい。前々回のブログに書いたがモードに興味を持つ大学生なんて本当に絶滅危惧種だ。この時代にこんな若年層がいることは本当に素晴らしいと思う。
何を隠そう、私も学生時代は“ゴル”と呼ばれていた。もちろんジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul GAULTIER)のゴルだ。そして未だにゴルチエを好み、スカートを履く私は先輩方から絶滅危惧種と見做されている(笑)。
話しを彼に戻そう。プロパーだけでなく、リユースショップなども駆使しショッピングするのもいいじゃないか。とにかく“ギャルソンを着たい”情熱が伝わってくる。
似合ってないという反応もあるが、日本には形から入る文化がある。能や歌舞伎など伝統芸能は幼少の頃から意味も分からず身体に叩き込まれる。そして芸事は血となり肉となり、自分に染み込んでいく。
正に世界を絶句させ、未だに語り継がれるコム デ ギャルソン97年春夏コレクション「Body meets Dress, Dress meets Body.(身体は服、服は身体)」の通りじゃないか!彼も急速にコム デ ギャルソンになっていくことだろう。
さて最近、ギャルソン氏のツイートが無い。何をしているのだろう?セールへ向けてバイトに勤しんでいるのか?熱いツイートが待ち遠しい。
また女の子バージョンはいないのだろうか(ギャル子w)。
ちなみに写真はギャルソン関係の本と私が今季買ったプリュスとガンリュウのアイテム。