「シセ(Sise)」が18日、13-14AWコレクションを発表した。会場は秩父宮ラグビー場。デザイナーは松井征心。マークスタイラーの傘下となって2シーズン目のコレクションだ。
今季のテーマは「ヒーロー(HERO)」。カラーパレットは、白、ネイビー、黒、グレーに、中盤からビビッドな赤が加わっている。柄にはチェックと、迷彩柄のジャカード生地を使用。この赤や迷彩は、ヒーローの強さの象徴でもある。
オーバーサイズのスウェットやTシャツ、ニットを重ね、腰にはチェックのネルシャツを巻く。シンプルなデザインのノーカラージャケットや、比翼仕立てのコートはフード付き。ボトムスはショートパンツやブラックのパンツ、ロールアップした太めのデニムで、どのルックにも真っ白なシャツを合わせ、クリーンな印象をプラスしている。
さらに、ジャージーのジップアップブルゾンやショートパンツ、グラフィティーモチーフなど、ストリートのアイテムと、テーラードジャケットやウールのコートと組み合わせたスタイリングも提案した。シューズは、長らくシセ定番であったコンバースのジャックパーセルではなく、スケーター風のソールが薄くシンプルなホワイトスニーカーを合わせている。
ブランドとして初めて本格的なコラボレーションにも挑戦。「ポーター(PORTER)」のリュックやウエストバッグ、「チーゴ(chigo)」のアクセサリー、「ADSR」のサングラスに加え、鳥のグラフィックTシャツは、3年前のシセ初のショーで音楽に使われた、イギリスのロックバンド「カイト(KYTE)」とのコラボで誕生したものだ。
「ウルトラマンなど強く頼もしい典型的なヒーローと、少年の頃憧れたエミネムやシガー・ロス、ガス・ヴァン・サントら、自分にとってのヒーロー達もイメージしてデザインした。彼らの強さだけでなく、切なさのようなものも表現したかった」と松井氏は語る。ショーで使われた、ザ・テレフォンズの石毛輝によるスペシャルな楽曲にもその切なさは表現されている。
これまでのシーズンに比べルック数が増え、それに応じてデザイン方法を変化させた。更にショースタイリングをスタイリストに頼むなど、ブランドとしての進歩も見せた今季。松井は、「まだ話せないけど、今後いろいろと計画していることがある」と述べた。