山口情報芸術センター(YCAM)は、今月6日より10周年記念祭をスタートする。第1期は7月6日から9月1日まで、第2期は11月1日から12月1日まで開催。会期中様々なイベント・公演が予定されている。
ドイツ人作曲家のハイナー・ゲッベルズ(Heiner Goebbels)による『シュティフタース・ディンゲ(Stifters Dinge)』(前売一般4,000円、当日4,500円)は日本初上演。19世紀の作家、アーダルベルト・シュティフター(Adalbert Stifter)の小説にインスパイアされた本作では、5台ピアノと光、音、声、霧などの事物(Dinge)たちが、人の手や機械によって制御され、変化を遂げていくことでパフォーマンスが進行する。7月13日から15日の3日間にわたり、各日19時開演。初日15時より、ドイツ演劇批評家の新野守広によるプレレクチャー(無料)も開催。
昨年YCAMで展示され、子供達から人気を集めた「コロガル公園」が、建築ユニット「アシスタント(assistant)」の手により半屋外型パビリオン「コロガルパビリオン」となって今月26日から12月1日まで登場。起伏のある床にスピーカーやマイク、LED照明など様々な「メディア」を使った仕掛けが埋め込まれ、子供達が自分の体とメディアを結び付けて考える機会を創出する。8月18日と9月16日に、小中学生を対象としたミーティングを開催。採用されたアイデアは、その後パビリオンに新機能として追加される。
今月26日19時からは、坂本龍一を中心とした「ジ・オープニング・ライブ・コンサート(THE OPENING LIVE CONCERT)」(前売一般6,000円、当日6,500円)が予定されている。架空の映画音楽のための映像コンペティションへの楽曲提供を行った上野耕路、ニューヨークを拠点として活動するサウンドアーティストのテイラー・デュプリー(Taylor Deupree)、音楽ユニット「イルハ(ILLUHA)」らが参加する。
同じく坂本龍一とのコラボによるインスタレーション「フォレスト・シンフォニー(Forest Symphony)」を、今月26日より12月1日まで開催。震災以降、森林に深く興味を抱いてきた坂本が作り上げたフォレスト・シンフォニーを、樹木から流れる生体電位を音楽に変換し、更に発展させる。樹木から電位を取得するためのツールキットは、オープンソースとして公開。
また、宇川直宏率いるライブストリーミングスタジオ「ドミューン(DOMMUNE)」とタッグを組み、第1・第2期を通して、街中に「YCAM DOMMUNE」と称した拠点を設置。インターネット上でのみ配信されてきたアーカイブコンテンツを上映し、インターネット時代以降の場所性を捉え直すことを企図。今月27日の20時より、ライブイベント(前売一般5,000円、当日5,500円)も開催される。
8月10日・11日には、スタジオA及び山口市中央公園で「ヤマグチミニメーカーフェア(Yamaguchi Mini Maker Faire)」を実施。DIYに携わる個人や組織の発表の場としてアメリカで2006年に開始し、世界60ヵ国以上で行われてきたイベントを西日本で初開催する。YCAMに集った作り手達のアイデアを世界に向けて発信すると共に、教育普及プログラムとの連携により子供達も参加。
その他、フィジカルアーティストのコンタクト・ゴンゾ(contact Gonzo)による参加型アウトドアプロジェクト(8月24日から26日)、国際グループ展「アート・アンド・コレクティブ・インテリジェンス(art and collective intelligence)」(7月6日から9月29日)、ワークショップ「YCAMサマースクール」(7月20日から9月29日)、芝生で映画を楽しむ恒例イベント「真夏の夜の星空上映会」(8月9日から11日、各日19時半より)、大音響で映画を視聴する「YCAM爆音上映会」(8月23日から25日、上映時間未定)など、数多くのイベントが催される。
【展示情報】
ワイカム10周年記念祭
会場:山口情報芸術センター
住所:山口県山口市中園町7-7
会期:2013年7月6日から9月1日(第1期)、11月1日から12月1日(第2期)
時間:10:00から19:00(ライブ・イベント除く)
休館日:火曜
入場無料(有料イベント・ライブあり)