JR東日本ステーションリテイリングは9月14日、千代田区神田須田町の万世橋高架橋に商業施設「マーチエキュート(mAAch ecute)神田万世橋」を開業する。オープンに先駆け、7月19日に現地が報道公開された。
当施設はエキュートを展開している同社にとって初のマチナカ(街中)・エキソト(駅外)商業施設。設計は公共・商業施設を多く手掛けている、みかんぐみが担当。フロア構成は、高架下のアーチや100年前のレンガを生かしたスペース(1階)と、高架上にガラスの箱をイメージした展望・カフェデッキ(2階)の2層で、延べ床面積約2,000平方メートル。上下階は、作られた当時の西暦で呼称される1912階段と1935階段の2ヶ所でつながれる。これらの階段は、1943年の万世橋駅休業後一般公開されるのは初めて。旧万世橋駅ホームを活用した2階デッキでは、中央線列車が通過する姿を至近で見ることが可能。商業施設として日本初のロケーションだという。
ショップは飲食の他、雑貨・ファッションアイテムを扱う全11店舗を予定。初年度売り上げ目標は11億円。1階には神田鍛冶町の人気ワインショップ「ヴィノシティ(VINOSITY)」初となるワイングッズショップ、2階カフェスペースには3331アーツ千代田を企画した一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドNが運営するアートを取り入れたカフェの開業が決定している。秋葉原電気街など地域柄男性客が強いイメージがあるが、女性客への訴求のため気軽に立ち寄れる飲食やファッション雑貨をそろえる。
「エキソトでは購買意欲がある方がいらっしゃるが、集客を考えなければならないのがエキナカとの大きな違い。そのため地域と連動したイベントを随時仕掛けていくつもり。現在も既存エキュートで地域との連動イベントを行っており、マーチエキュートでも地域活性化の一翼を担いたい」と、JR東日本ステーションリテイリング代表取締役社長の三井剛氏。
22日から8月14日までプレイベントとして、神田麦酒(ビール)祭りの一環「神田万世橋ビアアーチ」が開催される。23日にスタートする御茶ノ水の商業施設ワテラス(WATERRAS)のビアガーデン「神田淡路町ビアテラス」と連動する。