メキシコを代表する現代画家のフリーダ・カーロ(Frida Kahlo)は1907年7月6日生まれ。メキシコ・コヨアカン出身。54年に47歳で死去。
写真家の父、ギリェルモ・カーロの三女として生まれる。1925年に乗っていたバスが事故に遭い、後遺症が残るほどの重傷を負った。この事故により恋人との仲が疎遠になっていき、その孤独感からフリーダは芸術の世界にのめり込むようになったと言われている。28年に画家のディエゴ・リベラと出会い、お互いの作品に惹かれ合ったことをきっかけに、21歳の年の差を乗り越え翌年結婚。
フリーダの事故の後遺症やリベラの女性関係などが原因で、結婚生活は決して順調なものではなく、これが彼女の作品に大きく影響を与え続けた。1938年に初の大規模な個展を海外で開き、そのシュルレアリスム的世界観が高い評価を得た。
1950年代になると健康状態が更に悪化し、入退院を繰り返すようになった。寝たきりになってからも作品制作に取り組んでいたが、フリーダ特有の緻密なテクニックを駆使したものは作れなくなっていった。54年7月に肺炎を併発して死去。
生涯に渡って200点を越える作品を残しており、その大半が自画像。自分自身の恋愛に関する絵を描いたものも多い。強烈な印象を与える作品に魅せられた1人が歌手のマドンナで、「My Birth(私の出産)」という絵をリビングに飾っている。彼女は、フリーダ自身の出産を描いたその絵を嫌う人とは仕事をしないという噂もある。
「ジャンポール・ゴルチエ」は98SSシーズンにフリーダをテーマにしたコレクションを発表。モデルはフリーダのトレードマークであったメキシコの伝統的な編み込みヘアをアレンジした髪型で、同じくフリーダの特徴であるつながった眉と口髭のメイクが施された。絵画中のドレスや薔薇、十字架、髑髏などのモチーフが登場。また、ゴルチエがリュック・ベッソン監督の映画『フィフス・エレメント』でミラ・ジョボビッチのためにデザインした衣装はフリーダの「La columna rota(折れた背骨)」という作品からインスパイアされたという。
フリーダの波乱に満ちた生涯を描いたジュリー・テイモア監督の映画『フリーダ』が2002年に制作され、サルマ・ハエックがフリーダを演じている。