日本の伝統や工芸品に再び注目が集まる中、桃の節句に向けて、百貨店のひな人形商戦が好調に推移している。
特に今シーズンは、「春のインテリア」としても楽しめるスタイルで提案されている傾向が強い。雅な風情はそのままに、リビングにも飾れるコンパクトサイズや、飾り台が収納箱になっているデザインなど、日本の繊細な感性と精緻な手技が作り上げた、スペースを取らない現代感覚のスタイルが人気を呼んでいる。
三越日本橋本店では、ひな人形の展開を昨年の12月26日(水)から開始。約270年の歴史と伝統を誇る木目込人形の正統伝承者として唯一認定されている名工、 金林真多呂ら日本有数の人形作家の作品をはじめ、約110種類(最大展開時期)を豊富に取りそろえた。現時点で、実績前年比約120%と好調で、今年は人形作家の伝統的な京雛飾り(親王飾り)が人気。お内裏様の衣裳は天皇にのみ許された格調高い「黄呂染」を選ぶ人が多いという。
また、2月18日(月)まで三越日本橋本店6階アートスクエアでは、奈良一刀彫雛人形展を開催中で、作家も来場し実演も行われる。
伊勢丹新宿本店でもひな人形の販売を1月2日(水)から開始し、前年を上回る実績で好調に推移。現代の生活空間に適したモダンでコンパクト、そして収納できるデザインのバリエーションを強化。「選べるひな人形セット」やインテリア飾りびな・立ちびなも多数そろう。ピークとなる1月下旬からは売り場も拡大される。
今年は、特に品揃えが強化された単価の高い商品の動きが好調で、コンパクトサイズの商品への反応が顕著な傾向にあるという。