写真家の鋤田正義は1938年5月5日生まれ。福岡県出身。
60年に日本写真専門学校を卒業後、写真家の棚橋紫水に師事。メンズファッションを中心に広告専門のカメラマンとして活動すると、物語性のある作品が評価されるようになる。63年には歌手のアイ・ジョージのステージ写真でAPA展会長賞を受賞。
65年に上京してデルタモンドに入社、メンズブランド「JAZZ」の広告撮影を任される。この頃になると、鋤田は動画の撮影も手掛けるようになり、71年には映画『書を捨てよ町へ出よう』で撮影監督を担当。71年には「JAZZ」のテレビCMでADC賞を受賞した。
69年にアメリカのウッドストックで見た野外コンサートに衝撃を受け、サブカルチャーに傾注していく。T.REXやデヴィッド・ボウイなどに直接交渉し、彼らの姿を写真に収めることに成功。帰国後には東京でT.REXの写真展を開催し、73年にはデヴィット・ボウイの来日ツアーに同行した。77年には原宿で撮影したデヴィッド・ボウイのポートレートが、アルバム『Heroes』のジャケット写真に採用されている。
その後も国内ではYMOや布袋寅泰、忌野清志郎といったミュージシャンの活動を追い、ジャケット写真や写真集を手掛けてきた。10年には写真集『Y.M.O×SUKITA』を、12年にはデヴィッド・ボウイを40年間追い続けてきた集大成となる写真集『BOWIE×SUKITA Speed of Life 生命の速度』を発表。「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」13SSキャンペーンも手掛けた。その他、テレビCMや映画など幅広いフィールドで活躍している。