「ディーゼル リビング(DIESEL LIVING)」は家具、照明、ホームファブリック、テーブルウエアからキッチンユニットまで、新作をトータルに発表。空間全体でブランドのパンクスピリットを体現してみせた。
ディーゼルは幅広いホームファーニシングコレクションをそろえる上で、自社で開発、製造するのではなく、それぞれの分野で名のあるブランドと生産のパートナーシップを結んでいる。家具の「モローゾ(Moroso)」、照明の「フォスカリーニ(Foscarini)」、キッチンユニットの「スカヴォリーニ(Scavolini)」、テーブルウエアの「セレッティ(Seletti)」、ファブリックの「ズッキ(Zucci)」といったグローバルに知られるブランドとコラボレーションし、それぞれのブランド名を打ち出すことで、どちらのブランドもこれまでにない客層に訴求することが可能となり、メリットがあるわけだ。
もちろんディーゼルのアイデンティティーであるパンク、ロックスピリットはホームファーニシングでも欠かせない。ディーゼルのクリエーティブチームはそれぞれのブランドのデザインチームと密にコミュニケーションを取りながらプロダクトデザインに深くかかわってきた。
そうして生まれたディーゼル リビングの新作は照明であれば「クラッシュ(Crash)」「ベル(Bell)」コレクションのようにガラスでありながらも、打楽器のティンバルをイメージさせたり、工事現場のむき出しのワークランプにも見える。「フォーク(Fork)」コレクションはリネンのシェードから拡散される光がキャンプ場のテントからこぼれる光のよう。カジュアルだけれど、ディテールの縫製処理は手を抜くことなく、ディーゼルのこだわりがうかがえる。
テーブルウエアもブランドらしいウィットに富むプロダクツがそろった。キャンドルホルダーの「トランスミッション(TRANSMISSION)」のインスピレーションのもとはボルト。カトラリーの「マシーン(MACHINE)」コレクションはレンチなどの工具からの着想。他にセラミックのテーブルウエア、グラスウエア、マグなどいずれも工場のワークデスクを食卓に置き換えてしまったようで、突き抜けたディーゼルスピリットが炸裂していた。