香港貿易発展局(HKTDC)が主催、香港特別行政区政府傘下のクリエイト香港(CreateHK)が後援するファッションイベント「センターステージ(CENTRESTAGE)」が帰ってくる。開催は2021年9月10日から12日、香港コンベンション&エキシビションセンターにて。
公式サイト:https://centrestage.hktdc.com/main/en/
今年は、世界24カ国・地域から200以上のブランドが参加。うち120ブランドが香港からの参加。約30のイベントも開催される。さらに今回は初めて一般にもショーの見学をオープンにする予定だ。
香港への渡航が制限される中でも、台湾テキスタイルフェデレーション、マカオ プロダクティビティテクノロジー トランスファー センター、エンテモーダ(EMI)、またカザフスタンのアルマトイ商工会など、外国のブランドや業界団体も代表者を参加させている。加えて、米国「3NY」、ドイツ「エンコードファッション」、タイ「ブルーピン」、ベトナム「ランウェイ」といった世界の主要なショップのバイヤー、香港の「クラブ21」「D-mop」「ハーヴェイ・ニコラス」「I.T」「レーン・クロフォード」といったストア、またオンラインストア「ファーテック」がビデオ商談の場を用意をしている。
10日に開催されるオープニングショーでは、カルヴァン・チャン、ジョイス・クンの「The World Is Your Oyster」、韓国のデザイナー、イ・モヨルの「youser」が登場(残念ながらイ自身は現場での参加はかなわず)し、世界に向けて最新の2022コレクションを発表。歌手ヒンズ・チャンが華を添える。この模様は、センターステージの公式サイト、フェイスブック、インスタグラムでARを駆使したライブが配信の予定。
CENTRESTAGE ELITES Opening Gala Show 2021 – Director’s Cut
公式サイト: https://centrestage.hktdc.com/main/en/
Facebook: https://www.facebook.com/HKTDC.Exhibition
Instagram: https://www.instagram.com/hktdclifestyle/
また、9日、10日はファッション業界のサステナブルな発展をテーマにしたフォーラム「2021香港ファッションサミット」を開催。11日には「未来へのデザイン」をテーマに、サステナブルファッションを推進する香港のNGO「Redress」が「Redress Design Award 2021」のプレゼンテーションを行う。同賞は、世界最大のサステナブルファッションデザインのコンペティション。香港ブランド「Sparkle Collection by Karen Chan」はドリアン・ホーと協働して最新コレクションを発表。
開催に当たって、香港貿易発展局のベンジャミン・チャウ上席副総裁は「昨年はバーチャルの開催だったが、今年は様々な制約をはね返し、多くの新進気鋭のデザイナーやブランドをアジア及び世界から招いて、リアルに開催できることを嬉しく思います。才気あるデザイナー達がバイヤーやファッショニスタに最新のコレクションを披露できるよう、プロモーションの場をいくつも用意しました。パンデミックのために困難な状況に直面した多くのデザイナーにとって、とりわけ意味のあるものになるでしょう。新しい環境に向けてフレッシュなアイデアとイノベーティブなクリエイションを見せてくれることと思います」と述べている。
ファッションヘッドラインでは、今回参加するデザイナーにメールインタビューを行い、その意気込みを伺った。
各デザイナーへの質問は以下の通り。
1. 今回のコレクションのテーマに加え、デザインにおいて大切にしていることを教えてください。
今回のコレクションテーマは「メランジュ・クラブ」。コロナ禍によって、何もかも壊され、クラブもクローズ。だが、クラブ・カルチャーを失うわけにはいかない。「メランジュ」は、「混ぜる」という意味で、この想像上のクラブでは、文化、人種、ジェンダーが混ぜこぜになった様子を表現したい。
デザインをするときには、多様性にフォーカスしてハイブリッドなアプローチをすることを考えている。今回のコレクションでも、服を“混ぜる”ためのディテールがたくさんある。これこそ、私たちのブランドの主張でもある。今回のショーでは、ジャケットとベストを組み合わせた服、シャツとTシャツも多く発表している。
2. コロナの収束後に向け、服に込めたメッセージを教えてください。
今シーズンのコンセプトを決める時、ポジティブな未来のストーリーを描こうとした。SS21は空港、SS22はクラブをモチーフにしたのは、どちらも新型コロナによって行かれなくなった場所だから。同時に、この辛い時間もいつかは終わるというメッセージも込めた。ウィットに富んだユーモラスなグラフィックを使うのもそのためだ。
3. ファッション業界、またご自身のデザインプロセスにおけるサステナビリティについて教えてください。SDGsに向けた取り組みがありましたら、それも含めてお願いします。
私たちは、積極的にデッドストックの生地を使っている。すると自ずと大量生産ができない製品になる。デッドストックの生地は上質なのに、生産してから時間が経っているという理由で使われない。私たちはそうした生地を廃棄することなく蘇らせようと努めている。地球環境を良くするために、努力し続け、誰かに引き継げるような服を作りたいと思っている。そのために伝統的な要素やクオリティが必要だ。ブランドデザイナーのイ・モヨルは、サステナブルブランド“GEESOC”というプロジェクトのメンバーでもある。このプロジェクトでは、志を持った4人のデザイナーが残反を使ってバッグを製造販売し、売上を“SAVE THE CHILDREN”に寄付している。
4. 香港マーケットの特徴、またここでブランド展開する利点と考えていることを教えてください。
香港のマーケットについてまだ詳しくないが、香港は外国のブランドに対して理解があり、新しいデザイナーブランドも参入しやすい。2018年から、ハーベイ・ニコラスやレーン・クロフォード、I.Tが、youserをセレクトしているが、そのときヨーロッパでyouserを展開していたのは、小さな個店だった。
CENTRESTAGEに参加して香港のブランドについても知ることができたが、彼らのクリエイティビティには驚いた。都会的なイメージを追求しつつ、自分たちのブランドアイデンティティーをしっかりとつかんでいる。同時に、香港独自の魅力的なムードをまとうことにも成功している。香港も自分達のデザイナーに誇りを持っていることは興味深い。香港ブランドがグローバルに活躍することを期待している。
5. 日本のマーケット、またファッションクリエイティビティについて感じていることを教えてください。
日本は、世界に通用するデザイナー、ブランドを多く輩出し、トレンドを作り出してきたし、日本のマーケットはデザイナーのクリエイティビティというものをリスペクトしている。コロナ禍以前、youserはいくつかのセレクトショップでバイイングされており、日本市場における私たちのクリエイティブデザインの可能性を見ていた。今は、コロナのため取り引きが続けられず、新しいバイヤーに出会う機会もなくなってしまっているが、日本の市場にもまた展開できることを願っている。
>NEXT、SUN=SEN(サンイコールセン)のインタビューに続く
公式サイト:https://centrestage.hktdc.com/main/en/
パンデミックを克服し業界のつながりを生み出す
今年は、世界24カ国・地域から200以上のブランドが参加。うち120ブランドが香港からの参加。約30のイベントも開催される。さらに今回は初めて一般にもショーの見学をオープンにする予定だ。
香港への渡航が制限される中でも、台湾テキスタイルフェデレーション、マカオ プロダクティビティテクノロジー トランスファー センター、エンテモーダ(EMI)、またカザフスタンのアルマトイ商工会など、外国のブランドや業界団体も代表者を参加させている。加えて、米国「3NY」、ドイツ「エンコードファッション」、タイ「ブルーピン」、ベトナム「ランウェイ」といった世界の主要なショップのバイヤー、香港の「クラブ21」「D-mop」「ハーヴェイ・ニコラス」「I.T」「レーン・クロフォード」といったストア、またオンラインストア「ファーテック」がビデオ商談の場を用意をしている。
10日に開催されるオープニングショーでは、カルヴァン・チャン、ジョイス・クンの「The World Is Your Oyster」、韓国のデザイナー、イ・モヨルの「youser」が登場(残念ながらイ自身は現場での参加はかなわず)し、世界に向けて最新の2022コレクションを発表。歌手ヒンズ・チャンが華を添える。この模様は、センターステージの公式サイト、フェイスブック、インスタグラムでARを駆使したライブが配信の予定。
CENTRESTAGE ELITES Opening Gala Show 2021 – Director’s Cut
公式サイト: https://centrestage.hktdc.com/main/en/
Facebook: https://www.facebook.com/HKTDC.Exhibition
Instagram: https://www.instagram.com/hktdclifestyle/
また、9日、10日はファッション業界のサステナブルな発展をテーマにしたフォーラム「2021香港ファッションサミット」を開催。11日には「未来へのデザイン」をテーマに、サステナブルファッションを推進する香港のNGO「Redress」が「Redress Design Award 2021」のプレゼンテーションを行う。同賞は、世界最大のサステナブルファッションデザインのコンペティション。香港ブランド「Sparkle Collection by Karen Chan」はドリアン・ホーと協働して最新コレクションを発表。
開催に当たって、香港貿易発展局のベンジャミン・チャウ上席副総裁は「昨年はバーチャルの開催だったが、今年は様々な制約をはね返し、多くの新進気鋭のデザイナーやブランドをアジア及び世界から招いて、リアルに開催できることを嬉しく思います。才気あるデザイナー達がバイヤーやファッショニスタに最新のコレクションを披露できるよう、プロモーションの場をいくつも用意しました。パンデミックのために困難な状況に直面した多くのデザイナーにとって、とりわけ意味のあるものになるでしょう。新しい環境に向けてフレッシュなアイデアとイノベーティブなクリエイションを見せてくれることと思います」と述べている。
ファッションヘッドラインでは、今回参加するデザイナーにメールインタビューを行い、その意気込みを伺った。
各デザイナーへの質問は以下の通り。
1. 今回のコレクションのテーマに加え、デザインにおいて大切にしていることを教えてください。
2. コロナの収束後に向け、服に込めたメッセージを教えてください。
3. ファッション業界、またご自身のデザインプロセスにおけるサステナビリティについて教えてください。SDGsに向けた取り組みがありましたら、それも含めてお願いします。
4. 香港マーケットの特徴、またここでブランド展開する利点と考えていることを教えてください。
5. 日本のマーケット、またファッションクリエイティビティについて感じていることを教えてください。
2. コロナの収束後に向け、服に込めたメッセージを教えてください。
3. ファッション業界、またご自身のデザインプロセスにおけるサステナビリティについて教えてください。SDGsに向けた取り組みがありましたら、それも含めてお願いします。
4. 香港マーケットの特徴、またここでブランド展開する利点と考えていることを教えてください。
5. 日本のマーケット、またファッションクリエイティビティについて感じていることを教えてください。
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1. 今回のコレクションのテーマに加え、デザインにおいて大切にしていることを教えてください。
今回のコレクションテーマは「メランジュ・クラブ」。コロナ禍によって、何もかも壊され、クラブもクローズ。だが、クラブ・カルチャーを失うわけにはいかない。「メランジュ」は、「混ぜる」という意味で、この想像上のクラブでは、文化、人種、ジェンダーが混ぜこぜになった様子を表現したい。
デザインをするときには、多様性にフォーカスしてハイブリッドなアプローチをすることを考えている。今回のコレクションでも、服を“混ぜる”ためのディテールがたくさんある。これこそ、私たちのブランドの主張でもある。今回のショーでは、ジャケットとベストを組み合わせた服、シャツとTシャツも多く発表している。
2. コロナの収束後に向け、服に込めたメッセージを教えてください。
今シーズンのコンセプトを決める時、ポジティブな未来のストーリーを描こうとした。SS21は空港、SS22はクラブをモチーフにしたのは、どちらも新型コロナによって行かれなくなった場所だから。同時に、この辛い時間もいつかは終わるというメッセージも込めた。ウィットに富んだユーモラスなグラフィックを使うのもそのためだ。
3. ファッション業界、またご自身のデザインプロセスにおけるサステナビリティについて教えてください。SDGsに向けた取り組みがありましたら、それも含めてお願いします。
私たちは、積極的にデッドストックの生地を使っている。すると自ずと大量生産ができない製品になる。デッドストックの生地は上質なのに、生産してから時間が経っているという理由で使われない。私たちはそうした生地を廃棄することなく蘇らせようと努めている。地球環境を良くするために、努力し続け、誰かに引き継げるような服を作りたいと思っている。そのために伝統的な要素やクオリティが必要だ。ブランドデザイナーのイ・モヨルは、サステナブルブランド“GEESOC”というプロジェクトのメンバーでもある。このプロジェクトでは、志を持った4人のデザイナーが残反を使ってバッグを製造販売し、売上を“SAVE THE CHILDREN”に寄付している。
4. 香港マーケットの特徴、またここでブランド展開する利点と考えていることを教えてください。
香港のマーケットについてまだ詳しくないが、香港は外国のブランドに対して理解があり、新しいデザイナーブランドも参入しやすい。2018年から、ハーベイ・ニコラスやレーン・クロフォード、I.Tが、youserをセレクトしているが、そのときヨーロッパでyouserを展開していたのは、小さな個店だった。
CENTRESTAGEに参加して香港のブランドについても知ることができたが、彼らのクリエイティビティには驚いた。都会的なイメージを追求しつつ、自分たちのブランドアイデンティティーをしっかりとつかんでいる。同時に、香港独自の魅力的なムードをまとうことにも成功している。香港も自分達のデザイナーに誇りを持っていることは興味深い。香港ブランドがグローバルに活躍することを期待している。
5. 日本のマーケット、またファッションクリエイティビティについて感じていることを教えてください。
日本は、世界に通用するデザイナー、ブランドを多く輩出し、トレンドを作り出してきたし、日本のマーケットはデザイナーのクリエイティビティというものをリスペクトしている。コロナ禍以前、youserはいくつかのセレクトショップでバイイングされており、日本市場における私たちのクリエイティブデザインの可能性を見ていた。今は、コロナのため取り引きが続けられず、新しいバイヤーに出会う機会もなくなってしまっているが、日本の市場にもまた展開できることを願っている。
<YOUSER>
デザイナーはLee Mooyeol(イ・ムヨル)。SADI(Samsung Art and Design Institute)のファッションデザイン科を専攻、2011年自身のブランド「youser」を設立。サブカルチャーやアートにインスパイアされた脱構築的でコンテンポラリーなデザインが特徴。2020SSにはミラノファッションウィークにもデビュー。パリ、上海、ソウルにショールームがあり、グローバルな展開を続けている。イ・ムヨルはソウルファッションウィークで2018年以来3年連続の「ソウル10」に、2020年にはCFDKからベストデザイナーに選ばれている。
デザイナーはLee Mooyeol(イ・ムヨル)。SADI(Samsung Art and Design Institute)のファッションデザイン科を専攻、2011年自身のブランド「youser」を設立。サブカルチャーやアートにインスパイアされた脱構築的でコンテンポラリーなデザインが特徴。2020SSにはミラノファッションウィークにもデビュー。パリ、上海、ソウルにショールームがあり、グローバルな展開を続けている。イ・ムヨルはソウルファッションウィークで2018年以来3年連続の「ソウル10」に、2020年にはCFDKからベストデザイナーに選ばれている。
>NEXT、SUN=SEN(サンイコールセン)のインタビューに続く
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