7月の大阪店、9月の神戸店と、大型フラッグシップショップを立て続けにオープンさせた「プラダ(PRADA)」。長年親しまれた6丁目のプラダ銀座店は、数百メートル離れた5丁目に場所を移し(東京都中央区銀座5-8-17)、新しいコンセプトの銀座店となった。
ショップデザインは、エピセンター以外のプラダとミュウミュウのショップを手掛けた、建築家ロベルト・パチョッキによるもの。ファサードは、ゴールドカラーのアルミニウムとポリッシュ仕上げしたスティールのバックライトパネルを配し、キネティックな視覚効果を発揮している。プラダがリスペクトするキネティックアート(動くアート)を代表する作家、カルロス・クルズ=ディエズにインスパイアされたデザインという。
店内に入ると、1階のウィメンズとメンズのレザーグッズを取りそろえるフロアは市松模様の大理石、2階のウィメンズコレクション、シューズ、アクセサリーのフロアはカーペット、3階のメンズフロアは黒檀を使用した寄せ木の床と、床材に異なるマテリアルを使うことでフロアのイメージを際立たせている。
銀座店のオープンを記念して、プラダのアイコニック素材「サフィアーノ」レザー製、バイカラーのトートバッグ(20万8,950円)を先行販売している。ショルダー用ストラップ、内ポケットが付く。色展開はブルー×ライトグレー、ライトグレー×ホワイト、ピンクベージュ×ホワイト。
ショップデザインは、都市の特性を生かし、多少変化させているものの、基本的にはミラノの第1号店が発信源だ。その本家ミラノでも、新しい改造プロジェクトが計画され、着々と実行されている。
ミウッチャ・プラダの祖父、マリオ・プラダは、1913年にミラノの中心にあるガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレII世に、プラダ1号店を構えた。今年はプラダ創立100周年にあたる。この節目の年に、歴史的な建造物ガレリアを含むショップの改造プロジェクトをミラノ市の委託を受けてスタートさせたのだ。
プロジェクトの第1弾として、7月20日にメンズコレクションの新しいショップがオープンした。クラシカルな木枠の陳列棚とモダンな市松模様の床のコントラストの中に、プラダの伝統と革新が育んだエレガンスと気品漂う。今後は、中2階にレストラン、その上階にはプラダ財団が運営するアートスペースを設け、プラダ・グループ本部を設置、更にはミラノ市の新たな文化発信の拠点となるだろう。